拉致被害者は帰ってくるか? しかし横田めぐみさんは困難?
公開日:
海外
スエーデンのストックホルムで行われていた日朝協議で、拉致問題の解決に向け、日朝両政府が合意しました。
これで、数ヶ月後に、北朝鮮政府が新たな拉致被害者を「発見」し、帰国実現の可能性が出てきました。
しかし、拉致被害者のシンボル的存在の横田めぐみさんについては、悲観的な見方があるようです。
外交政策の行き詰まりで北朝鮮が譲歩?
これまで「拉致問題は解決済み」としていた北朝鮮が、一転して、拉致被害者の再調査に合意しました。
また、その発表を日朝両政府がほぼ同時に行ったことも異例と言え、そのことからも北朝鮮の本気度が伝わります。
金正恩(キム・ジョンウン)体制以降、アメリカや韓国そして日本から何も引き出せず、外交政策が行き詰まっていることが背景にあると思われます。
とはいえ、あの国が一筋縄でいくはずはありません。
北朝鮮は「生存者が発見された場合、帰国させる方向で必要な措置を講じる」としていますが、そもそも調査等しなくても、拉致被害者は完全な管理下にあるに違いありません。
しかし時間を引き延ばしながら、経済制裁や朝鮮総連中央本部ビル問題での日本側の譲歩を狙い、カードを小出しにしてくることでしょう。
最後のチャンス?
拉致被害者の年齢から考えても、現在の体制が崩壊しない限り、今回の交渉が最後のチャンスとなる可能性が高いと思います。
政府の拉致問題対策本部のHPには、政府認定17名 のプロフィールと拉致の状況が書かれています。
この方々の内、2002年に帰国できた5人を除く12名の方の帰国が叶うことを祈ります。
さらに、今回の調査対象を拉致被害者だけではなく、北朝鮮在住の全ての日本人としていますので、700人とも800人とも言われる特定失踪者の消息も明らかになるかもしれません。
ただ、対象を戦後の残留者や帰国事業の配偶者も含まれる日本人全体としたのは、拉致被害者から少しでも目をそらそうとしているとの説もあります。
横田めぐみさん
しかし13才で拉致され、被害者の悲惨さのシンボル的存在である横田めぐみさんについては、悲観的な見方が出ています。
北朝鮮は、横田めぐみさんを拉致したことは認めていますが、既に自殺したとして遺骨を提出。その娘として、キム・ヘギョンさんを公表し、今年の3月に、横田さんの両親と面会しました。
しかし、遺骨のDNA鑑定の結果、横田めぐみさんとは別人であることが判明。
火葬場の建設時期や、公表された横田めぐみさんの写真の年齢鑑定などでも、矛盾が指摘されています。
なぜ北朝鮮は横田めぐみさんを出さないのか?
1987年、大韓航空機が飛行中に爆破されて墜落し、全員死亡する事件が起きました。
経由地のバーレーンで降りた乗客のうち、偽造した日本のパスポートを持っていた男女2名が身柄を確保されましたが、男は持っていたカプセルを飲み服毒自殺。
女も同様に服毒自殺を図りましたが、一命を取り留めて逮捕され、韓国に引き渡されました。
その金賢姫(キム・ヒョンヒ)は、北朝鮮の工作員であることを認め、大韓航空機の爆破も自供しました。
現在も韓国で暮らしており、2009年には来日し、横田めぐみさんの両親ら拉致被害者家族と面会しました。
横田めぐみさんは、金賢姫の同僚工作員である金淑姫(キム・スクヒ)の日本語教育を担当したとされており、金賢姫が横田めぐみさんの両親と面会した際も、金淑姫から聞いた横田めぐみさんの様子を話しています。
しかし北朝鮮は、現在も、大韓航空機爆破や金賢姫が工作員であったことを認めておらず、韓国の自作自演としています。
そのため、金賢姫につながる可能性のある横田めぐみさんを出すわけにはいかないというのが、悲観論の根拠です。
金賢姫の教育係であった田口八重子さんについても同様のことが言えます。
その大きな壁を乗り越えて、横田めぐみさんや田口八重子さんも家族と再会できるのか?
今後の交渉に注目したいと思います。
次記事
拉致問題は8月に大きく動く? 安倍首相電撃訪朝か
a href=”http://is-factory.com/post-11308/” target=”_blank”>訪朝団は手ぶらで帰国 北朝鮮が拉致調査報告を引っ張る理由
スポンサードリンク
スポンサードリンク
関連記事
-
ベトナムの歴史・ベトナム戦争〜南北統一・中国が西沙諸島を占領
ベトナムの歴史(2) アメリカが本格参戦したベトナム戦争は、長期化・泥沼化します。 大
-
[タイ代理出産] 欧米メディア ICPOが捜査と報道 子供の写真も
タイで代理出産で生まれた多数の乳幼児が保護された事件。 その異様さから、欧米等の海外メ
-
中国パンダ2頭死亡の感染症は致死率90%の犬ジステンパー
中国陝西省・野生動物センターで、パンダ2頭が相次いで死亡しましたが、その原因は、なんと犬ジス
-
イギリスで妖精の写真が話題に 教授が撮影? 妖精写真と言えば
イギリスで話題の妖精の写真です。 確かに妖精に見えるかな? イギリスの妖精写真とい
-
TBS 慰安婦問題の英文パンフの製作に政府が深く関与と報道(1)
今年5月、日本の民間研究機関が発表した慰安婦問題に関する英文のパンフレットの作成に、政府が深