朴槿恵大統領が犬にまたがる風刺ポスターの意味・韓国でも疑問の声
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海外
韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が犬にまたがる風刺ポスターで、韓国警察が捜査に乗り出した件。日本では「どこが侮辱なのか分からない」との意見がありますが、韓国でも捜査に疑問の声が。そんな中、ポスター制作者が名乗り出ました。
韓国では犬にまたがると侮辱なの?
5月21日、韓国北東部の江陵市の古着回収箱に、朴槿恵大統領が犬にまたがっているイラストのポスターが貼られているのが見つかり、警察が捜査に着手しました。
日本のネットユーザーからは
「これのどこが侮辱なのか分からない」
「こんなことで警察が動くのか?」
「やはり韓国は意味不明」
等の声が上がっています。
韓国でのポスターの解釈
韓国マスコミに載った解釈を紹介します。
「背景に描かれた紙盃?は沈没する旅客船セウォル号を連想させるので、朴大統領がまたがった猟犬は検察で、後ろに見える6匹の犬は、国家情報院,政府,(与党の)セヌリ党,警察,海洋警察などの国家機関と解釈される。
一部では、青瓦台(大統領府)や側近など、朴大統領周辺の人物たちとの解釈もある。」
韓国では『犬』は強い差別用語との説が流布されていますが、実際はそれほどでもありません。
特に最近はペットとしての犬が一般化しているのでなおさらです。
イラストも、野良犬ではなく犬種がハッキリしたブランド犬ですので、せいぜい朴大統領が国家機関や周辺をペット化して言いなりにしているといった程度の意味だと思います。
またセウォル号事故の際、朴大統領が(非難のホコ先をかわすためマスコミや世論に迎合して)船長や乗組員を「殺人に等しい」と安易に口にし、行政の長が司法に口出ししたことを皮肉って、猟犬(検察)を手なずけている様子ではないでしょうか。
日本での『警察の犬』という表現と同等か、むしろそれより弱い侮蔑かもしれません。
統一地方選挙戦の妨害工作との意見も
韓国では、統一地方選の選挙運動が始まりました。
そのため与党のセヌリ党には、「大統領とセヌリ党を貶める目的のテロ」との声があり、
公安当局も、「セウォル事故の余波で社会に不安が広がっている中、選挙戦に乗じて反政府世論を拡散し、与党と大統領を攻撃しようとする目的」と分析しています。
一方、野党第1党の新政治民主連合からは、『北風事件』と同じで、劣勢のセヌリ党候補が保守層を固めるための自作自演だとの声が上がっています。
『北風事件』とは、2011年、国防長官を暗殺するために北朝鮮から暗殺部隊が潜入したとのニュースがあり、日本ではサンケイ新聞も報道しました。
しかし後日、保守層をまとめるために北朝鮮の脅威(北風)をでっち上げたことを国防長官自身が認めました。
この手の『小細工』は韓国では頻繁に起こるようです。
韓国でも理解不能との声も
犯人探しを始めた警察に対し、韓国でも疑問の声が上がっています。
「(こんな絵で)なぜ捜査するのか分からない。(国家機関に例えられた)犬の方が告訴するのなら分かるがw」
「むちゃくちゃな大統領を愚弄したり風刺したりする意味があったとしても、(捜査するなんて)ここは王朝国家か?」
「表現の自由だ」
一方、
「国家元首を侮辱するのが表現の自由ですか?」
「侮辱罪や名誉毀損罪などは、その人の地位が高いほど加重処罰になるので、警察が捜査するのも仕方が無い」
との声もありますが、全体としては、警察の捜査方針や政府を擁護する声より、警察の捜査することを理解できないという意見の方が多いようです。
ポスター制作者が名乗りでる
そんな中、ポスター制作者として、ポップアーティストが報道機関にEメールで名乗り出ました。
全国に7,000枚を撒き、あと3,000枚追加するとのこと。
そのポップアーティストは
「このポスターがなぜ捜査を受けるのか分からない。何の容疑でしょうか?」
と語ったそうです。
警察関係者は、「単にポスターだけでは処罰ができないが、古着回収箱に貼ったことは別だ。屋外広告物法違反での処罰が可能で、貼った意図によっては処罰内容を変えることができる」と語ったそうです。
ポスター制作者はお咎め無しということかな?
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