妻を乳がんで亡くして【肝臓や脳への転移・症状編】
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生活・文化
この記事は、以下の記事の続きです
妻を乳がんで亡くして【乳がんの発症〜乳房・リンパ節切除編】
妻を乳がんで亡くして【手術後の抗ガン剤治療・放射線治療編】
妻を乳がんで亡くして【乳がんの転移再発・余命宣告編】
※上の写真は入院した病院ではありません
妻は、乳がんの再発と余命宣告を受けたことを、ようやく家族に打ち明けます。
詳しい説明を聞くために、家族で主治医と面談に。
そこには過酷な現実が待っていました。
余命宣告を打ち明けた妻
半年の余命宣告を受けた後も、妻は京都のガイドブックをよく見ていました。
私はガンの再発は知りませんでしたから、具合の悪そうな様子を見て「旅行は当分無理だろう」といった程度に捉えていました。
妻は、気持ちの整理がついたのか、8月になって、家族に転移再発と半年の余命宣告を打ち明けました。
すぐに、妻と息子と3人で主治医に話を聞きに行きました。
この頃の妻は、骨の痛みは軽減していたようですが、体力的にも歩くのが辛いようで、病院の入り口で車椅子を借りました。
また、片目が斜視になっていました。
家族で主治医の話を聞く
乳房手術をした際の主治医は他の病院に移っており、他のドクターが主治医となっていました。
私もネットでいろいろ調べていましたが、ドクターは、噛んで含めるように丁寧に説明してくれました。
・乳がんが転移しているのは、まず骨それから肝臓。
・肺にも転移しており、水が溜まっているので呼吸が少し苦しいはず。
・脳の視神経にも転移しているので、それが原因で斜視になっている。
・手術をするにしても、全ては取れないし、どこであっても、手術の負担に見合うだけの効果は得られない。手術でどうにかなるという段階では無い。
・抗がん剤は、ガンに耐性ができてあまり効かなくなっている。
強いカードからきっていく(効果が高い抗がん剤から使う)ので、まだ使っていない抗がん剤は、これも負担に見合うだけの効果は期待できない。
・放射線も全身に照射すると、人間が死んでしまうので、できない。
・つまり、今の医療では、広がってしまった乳がんを完治することはできない。
・現在、行っているホルモン治療も「もしかしたらガンの進行を少し遅らせることができるかも」といった程度の効果しか期待できず、これまでの治療以上の効果が出ることはまずない。
肝臓に転移したらカラダに栄養を取り込めない
この頃の妻は、脂っこいものはもちろんのこと、通常食はほとんど食べられなくなっており、ソーメンやスイカのようなものしかノドを通らなくなっていました。
そこで、栄養補給はどうすればいいのかを尋ねたところ、
・栄養補給はできない。
・肝臓がほとんと機能していないので、食べたものを栄養に変えることができない。
・食べ物の栄養バランスを考えることはもう意味がないので、本人が食べたいもの、食べられるものを摂るように。
・肝臓から栄養を取り込めないくなったカラダは、自らを溶かして栄養にするので、どんどん痩せていく。
・これは肝臓の負担は少なく、痩せていったからといって、見た目ほどキツイわけではない。
・筋肉の方が分解して使いやすいので、筋力が落ちる。使わない筋肉から溶かしていく。
・寝てばかりだと姿勢を維持する筋肉を溶かすので、寝たきりになってしまう。それを防ぐために、できるだけ姿勢を維持する筋肉は使うようした方がいい。
氷砂糖で命をつなぐ
この頃妻は、氷砂糖を買ってきて、よく舐めていました。
前回の診察でドクターから、氷砂糖はほぼブドウ糖で、エネルギーを吸収しやすく、肝臓への負担が少ないとアドバイスされたようです。
・口からブドウ糖を取るのがカラダは楽で、もし、1日に必要な量を点滴で入れるとしたら、500ccで10〜20本(5〜10リットル)にもなり、心不全になってしまう。
・そこまでの量を入れなくても、一旦点滴で栄養を入れ始めると、チューブを繋ぎっぱなしになり、カラダが弱り、むくみも出て、苦痛が増すので、行わない。
・炭水化物も消化液でブドウ糖に近いところまで分解できるし、カロリーが高いアイスクリームもお奨め。
妻の死後、自宅のベッドサイドに残っていた氷砂糖の袋から、1個をつまんで口に含んでみました。
こんなもので命をつないでいたのかと思ったら、涙が溢れてきました。
脳への転移が原因の斜視について
斜視になると、ものが見づらくなり、気分が悪くなってしまいます。
妻は、テレビはまだ見ていましたが、本はあまり読めなくなっていました。
・斜視用のプリズムメガネというものもあるので、生活に支障があるようなら、眼科に診てもらってはどうか。
・ただし、脳の転移ガンは大きくなり斜視が進行すると思うので、メガネを作ってもすぐに合わなくなるかもしれない。
・斜視の方の目を使わず片目の方がまだ楽だという患者さんもいるので、眼帯または使い捨ての貼る眼帯もある。
後日買ってみましたが、妻は眼帯のヒモは耳が痛くなり、目に貼りっぱなしなのも煩わしいと、すぐに使わなくなりました。
そして、必要な時にはバンダナを巻くと言っていましたが、結局、使うことはありませんでした。
・脳に病変があるということは、現在の斜視以外にも、頭痛や、意識が薄くなったり、人格が変わって怒りっぽくなったりする可能性もある。
・それに備えて、家族と相談することが重要。
・人格が変わってしまったところを見せたくないということであれば、「そうなったら眠らせて欲しい」といった希望を伝えておいた方が、家族も戸惑わずに済む。
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