3分で分かる朝鮮戦争(1) 戦争の原因と経過を簡単解説
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10日、朝鮮半島の軍事境界線付近で、北朝鮮が韓国の市民団体のビラにむけて銃撃し、韓国軍も応射しました。
7日には、韓国西方の黄海・延坪島(ヨンピョンド)付近で、北朝鮮軍の警備艇が軍事境界線を越えて韓国側に侵入したため、韓国軍の警備艇が機関砲を発砲、北朝鮮側も応射し撃ち合いになりました。
北朝鮮軍は10分程で北側に戻り、双方に大きな損害は無かった模様です。
今回のような威力偵察的な小競り合いは、よくあるようです。
延坪島は、2010年にも北朝鮮が突然砲撃し、韓国軍も応射。
延坪島の住民と韓国軍海兵隊員に、23人の死傷者が出ました。
そんなことがあっても本格的な戦闘が拡大しないのは不思議です。
私はその延坪島砲撃の直後に仕事でソウルに行き、韓国人の友人に「戦争再開」が心配だという話しをしたところ、「その可能性は全くない。ケンチャナ(大丈夫)」と笑い飛ばされました。
韓国人が楽天家だからなのか、北朝鮮の性質を熟知してるからなのか、おそらくその両方なのだと思います。
1950年に始まった朝鮮戦争は現在も終結しておらず、1953年以来61年間の「休戦中」であり、両国とも「戦時中」の国です。
日本では戦争の経緯や内容よりも、「朝鮮特需」という米軍の軍需が戦後復興のきっかけになったことで知られる朝鮮戦争(朝鮮動乱)を、ざっくりと解説します。
朝鮮半島が南北に分割された経緯
日本が統治していた大韓帝国は、1945年の日本の太平洋戦争敗戦後、米国とソ連の話し合い(駆け引き)により、北緯38度で南北に分割占領されます。
当初は自由に行き来できましたが、1946年5月23日に突然禁止になりました。
南北の親戚や、たまたま南北に旅行していた人も帰れなくなり、離散家族が発生します。
その後、1948年の8月15日に南部には大韓民国(韓国)、同年9月9日には北部に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が建国されました。
朝鮮戦争の開戦
北朝鮮は、朝鮮戦争を「米帝と韓国が計画的に準備し起こした侵略戦争」と主張していますが、実際には1950年6月25日未明、約10万人の北朝鮮軍が、宣戦布告無く国境を越えて侵攻し開戦しました。
対する韓国軍は、北朝鮮が国境線に戦力を集めていることを把握しておきながら、土曜日やら田植えやら陸軍庁舎落成の宴会やらで警戒態勢を取っておらず、また200両以上のソ連製最新戦車の北朝鮮に対し韓国は戦車を1両も持っていないなど、大きな戦力差で撃破されます。大半の韓国兵が戦車を初めてみたそうです
国力の差
日本が統治時代に建設した工業施設は北部に多かったため、開戦時の工業力は、現在とは逆に北朝鮮の方が圧倒的に上でした。
(例)発電量 北朝鮮:韓国=10:1
軍備も、ソ連の支援によって、北朝鮮が圧倒的に優勢でした。
(例)戦車 北朝鮮:韓国=240輛:0輛/砲 552門:91門/航空機 211機:22機(しかも練習機)
4日でソウル陥落
北朝鮮軍は、混乱する韓国軍を簡単に撃破しながらソウルに向け進撃。
開戦3日目の27日に、韓国政府はソウルを放棄し、翌28日にソウルは陥落します。
混乱する韓国軍は、南へ避難する際、まだ市民や部隊が残っているにもかかわらず、避難ルートの漢江(ハンガン)に掛かる橋を爆破し、犠牲を拡大させました。
釜山まで追いつめられた国連軍
7月4日、アメリカは応戦のために、日本に駐留していた陸軍を投入しますが、この時点でも北朝鮮軍の装備を甘く見ており、あっさりと蹴散らされ、5日に撤退します。
その後投入された国連軍も、韓国軍やアメリカ軍同様に敗走を続け、8月には釜山(プサン・朝鮮半島最南端)まで追いつめられ、後ろは海という状況になります。
しかし9月15日、国連軍は、GHQ(連合国軍最高司令官)として日本占領の最高責任者でもあったマッカーサーが立案した仁川(インチョン・現在の仁川空港付近。先日アジア競技対大会を開催)への上陸作戦を成功をさせ、北朝鮮の伸びきった補給線を断つとともに、挟撃します。
形勢は一気に逆転し、国連軍はソウルを奪回。
10月には北朝鮮の首都の平壌も制圧してさらに北進、10月下旬に残りは中国との国境の河だけとなりました。
仁川上陸作戦ジオラマ(ソウル・戦争記念館)/上陸作戦を指揮するマッカーサー(中央)
中国が参戦
韓国も国連も、統一後の朝鮮半島のプランを検討し始めます。
しかしその時、数十万人の中国人民軍が国境を越えて攻め込みます。
そう、現在、朴槿惠(パク・クネ)韓国大統領がすり寄っている中国です。
アメリカとの直接対峙を避けたい中国は、この軍を、中国人民の自発的な参加による義勇軍であり正規軍ではないと言い張っています。
中国兵の3人に2人は武器を持たず、ラッパや鐘を打ち鳴らしながら、そして、戦死した「同志」の武器を拾いながら進軍するという人命無視の作戦でした。
韓国の朝鮮戦争の映画・ドラマでは、中国軍の大群が、ラッパや鐘を鳴らしながら攻めて来るシーンが、必ず描かれています。
国連軍は、中国の参戦を想定していなかったため補給が充分ではなく、中国軍の人海戦術にも混乱し敗走。
1月には再びソウルが陥落します。
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