3才の女児が衰弱死 子供の虐待を見かけた時にするべきこと

大阪府で、3才の女児が食事を与えられず餓死した事件。

近所には、女児がアパートのベランダに粘着テープで巻かれ放置されているのを目撃した人もいたようです。

しかし、なぜか通報されず、悲劇を食い止める事はできませんでした。

子供の虐待を見かけたら、どうすべきでしょうか。

腸にロウやアルミ箔やタマネギの皮が

21日、大阪府茨木市で、3才の女児に食事を与えず衰弱死させた容疑で父親の岸本友希(ゆうき・22）と妻で母親の19歳の女が逮捕された事件。

6月15日に岸本友希容疑者が119番通報して発覚しました。

死亡した長女の紗弥音（さやね）ちゃんは、体重8kgで、3歳児の平均の約半分しかなく、骨と皮だけの状態だったそうです。

胃の中は空っぽで、腸には、空腹を紛らわすために食べたと思われるロウやアルミ箔やタマネギの皮が残っていました。

逮捕された２人は、好き嫌いが激しかったから低栄養状態になったと容疑を否認しています。

なお、妻は、紗弥音ちゃん死亡の翌月に次男を出産しています。

岸本友希容疑者のFacebook

岸本(妻)容疑者のFacebook

妻のFacebookにアップされた紗弥音ちゃんの目の下と口元にはアザが
 

長男の出産で育児態度に変化が

紗弥音ちゃんは、妻が高校時代に知り合った男性の子供で、16歳で出産しました。

その男性とは結婚しておらず、母親と紗弥音ちゃんとの3人暮らしでしたが、2013年の4月に岸本友希容疑者と結婚し、母親とは別居しました。

4月末には、岸本友希容疑者との間に長男を出産し、その頃から、紗弥音ちゃんへの育児態度に変化が生じたようです。

紗弥音ちゃんは、筋力の発達が遅れる先天性ミオパチーという病気でした。

健康ですくすく育つ長男と比べ、手が掛かる病気の長女。

岸本友希容疑者にとっては、実子と連れ子という「差」もあります。

育児のイライラが憎悪に変わり、歯止めが利かなくなったというところでしょうか。

とはいえ、紗弥音ちゃんは、ひもじくて、食べ物を懇願したり、泣いたりしたでしょう。

そうして衰弱して行く3歳の子供を放置できるというのは、どれほどの心の闇なのか全く理解できません。
猫や犬が1〜2日食べなくても、心配で医者に連れて行くのに

なお、妻は19歳ですので、名前や顔を伏せた報道になっており、当ブログもそれに倣いました。
しかし、3児の母という社会的責任のある立場であり、結果は重大なのですから、名前と顔を報道してもかまわないと思いますけどね。

近所の人が虐待を目撃

事件の記事で最も疑問に思ったのが、
「去年の秋、紗弥音ちゃんがアパートのベランダに粘着テープで巻かれ放置されていた」
という近所の人の目撃証言です。

その人は、なぜそのままにしたのでしょうか？

どう見ても虐待です。
通報すべきだったと思います。

子供の虐待を見かけたら、ためらわずに通報

児童虐待または、それらしい声などを見聞きした時には、
児童相談所（共通ダイヤル℡0570-064-000）または、市町村の児童相談所、福祉事務所に通報してください。

・電話、メール、手紙いずれでも可

・先方（当該保護者）に、通報者や通報内容は知らされません

・トラブルを恐れて、子供が虐待され続ける事がないよう、通報をためらわないで

・虐待の有無についての結果は、通報者には知らされません
→当該家庭の情報を漏らさないようにするためです
→虐待が無かったとしても、通報者が咎められる事はありません

虐待を疑われてショックを受ける保護者もいるが

しかし、最近は通報が増え、「しつけ」だったのに「虐待」を疑われてショックを受ける保護者も多いという一面もあります。

明らかに過剰な反応や、子供の声がうるさいからといった嫌がらせの通報もあるようです。

本人は「しつけ」のつもりでも、ハタから見たらやり過ぎという場合もあるでしょう。

私も、子供に対して、つい感情を爆発させて、ひどく怒鳴ったり、叩いてしまったりしたことがありますが、そんな理不尽なことは、やはり「虐待」です。

その証拠に、私自身もひどく後悔し、その時の事を今も覚えています。
おそらく子供も覚えているでしょう。

1回のことで通報されたらたまらないというのもありますが、その時は、やっぱりハタからみてもやり過ぎだったと反省すればいいと思います。

虐待を通報したら、役所は対応してくれるのか？

通報したら、役所はちゃんと解決してくれるのでしょうか？

子供の虐待死事件の時に、必ずと言っていい程、「児童相談所が訪問したが会えなかった」「面談したが異常はなかった」といった事例が紹介されます。

今回の事件も、昨年の10月末、予防接種会場で紗弥音ちゃんの顔や足にあざがあるとの通報がありましたが、2週間後に訪問した時には、あざは見つからず「異常なし」で処理されていました。

また、先天性ミオパチーのために訪問していた保健所も、妻が「妊娠していて疲れている」といった口実のために、面会できていませんでした。

前述のように、通報があったからといって、必ずしも虐待があるとは限りませんから、役所はソフトに訪問するのでしょう。

証拠がはっきりすれば、立入調査や警察の介入もできますが、なかなかそこまで踏み込めないのが実情のようです。

個人的な考えですが、虐待の写真や動画や録音をすれば、証拠になると思います。
ただし、プライバシー侵害と紙一重ですので、充分に注意してくださいね。

子ども虐待防止 オレンジリボン運動

岸本友希容疑者が紗弥音ちゃんに宛てた手紙

昨年4月、岸本友希容疑者が結婚披露宴の時に、紗弥音ちゃんに宛てた手紙を紹介します。

このわずか数ヶ月後から、虐待が始まりました。

 
さやねちゃん

さやねが1才の時にパパとママが出会いました。
さやねの事を知ってから、最初はパパとさやねの間には
きょりがあったけど一緒に遊んだり、だっこしているうちに
さやねのパパになりたいと思ったんだよ。
みんなでお出かけした時に三人で「おいで」って手を出したら
迷わずパパの所に来てくれて、めっちゃうれしかったよ。
その時にさやねのパパになるって決めたんだよ。

病気とか足の手術とかで辛かったと思うけど
よくがんばったね。パパはずっと応援していたよ。
今はまだ一人で歩けないけど、さやねと手をつないで
お出かけするのがパパの夢だから歩く練習を
パパとママと一緒にがんばろうね。
みんなでさやねを応援しているよ。

さやねのパパより
（句読点や段落を含め原文のまま）