両陛下訪問のパラオ ペリリューの激戦を描いたザ・パシフィック
公開日:
海外
両陛下が訪問のパラオ。
ここには太平洋戦争の激戦地ペリリュー島があります。
そのペリリュー戦を描いた唯一のドラマが、ピルバーグとトム・ハンクス製作のアメリカTVドラマの『ザ・パシフィック』です。
両陛下訪問のパラオとは
天皇皇后両陛下が訪問されるパラオ。
ミクロネシアにある大小約200の島からなる共和国。
ダイバーであれば誰もが知っている地名で、透明度,魚の豊富さ,水中地形など憧れのスポットです。
第一次大戦後から太平洋戦争終戦まで日本の統治領で、「アリガトウ」「エモンカケ」「チチバンド(ブラジャー)」など現地語可した日本語が多数あり、日本から莫大な援助がされていることもあり、非常に親日だと言われています。
ペリリュー島の激戦を描いたTVドラマ ザ・パシフィック
パラオの南方にある南北9km、東西3kmの小さなペリリュー島が、太平洋戦争での激戦地になりました。
1944年9月、東洋最大と言われてた飛行場の奪取のため米軍が上陸。
日本軍の4倍の兵力の米海兵師団長は、作戦前に「3days may be two」と2〜3日で片付くと訓示していましたが、日本軍は陣地の洞窟化やゲリラ戦などで約2ヶ月半にわたって抗戦。
日本兵の戦死者はほぼ全滅の1万人超で生存者はわずか34人、米軍も戦死1794人,負傷者は8000人を超えました。
太平洋戦史に関心はある方でしたが、ペリリュー島のことは知らず、初めて知ったのはアメリカTVドラマの『ザ・パシフィック』でした。
スピルバーグとトム・ハンクスが製作
『ザ・パシフィック』は、海兵隊員のペリリュー島と沖縄の戦記を原作にしたもので、『プライベート・ライアン』や『バンド・オブ・ブラザース』でタッグを組んだスピルバーグとトム・ハンクスが、ヨーロッパ戦線だけでなく太平洋戦線も描こうと製作しました。
全10話のTVドラマで、なんと2億ドルという大作映画級の制作費を投じ、日本では、2010年にWOWOWで放送されました、
その内、ペリリュー島のエピソードは3話を占めます。
他の主な戦場は、ガタルカナル島2話、硫黄島1話、沖縄1話ですので、米軍の太平洋戦史におけるペリリュー戦の大きさが伺えます。
調べた限りでは、ペリリュー戦を描いたドラマや映画は他に無いようです。
服装などにリアリティの無い日本の戦争ドラマ
ダイビングなどで夏に沖縄や南方の島に行くと、日中は外を歩きたくないくらいに暑く、と言うより熱く、こんな熱帯の島で戦闘した兵隊さんたちのことを思う時があります。
長袖長ズボンの厚手生地の戦闘服やブーツで、湿度が高いジャングルを這いずり回るので、汗だらけ泥だらけでグチャグチャになるでしょう。
しかし、着替えもシャワーもトイレットペーパーもない。
戦闘や食糧難という以前に、それだけで参ってしまいそうです。
『ザ・パシフィック』では、ペリリュー島のエピソードではありませんが、雨期のジャングルに設営されたテントで、何十日も服や靴が濡れっぱなしのストレスにやられ、発作的に服を脱ぎ捨て、拳銃自殺するシーンがありました。
テントはもちろんのこと食料も無かった日本兵は、どれだけ過酷だったことでしょう。
しかし、8月になると毎年放送される日本の戦争ドラマは、沖縄戦で逃げ惑う人達も、いかにも衣装さんが「ちょっとだけ汚れを付けました」というのが分かるこざっぱりした服で、髭も剃っており、ついでに丸刈りヅラで、全くリアリティが無く、ストーリーに入り込めません。
映画の『永遠の0』でも、おそらく丸刈りになっていないせいでしょうが、濱田岳が、クソ熱いラバウル島で、昼も夜(オフ)もボア付きの飛行ヘルメットを被ったままだったので、失笑しました。
丸刈りになるのがイヤなら戦争映画に出演しなければいいのに。
『3等国民』扱いだったパラオ島民
先にパラオは親日と書きましたが、統治時代にも好かれていたわけではないようです。
先日、地方紙に載った88歳の現地女性の話しでは、島民は『3等国民』(沖縄,朝鮮は2等国民)として扱われ、放課後は、日本人の家庭で家事を手伝う『練習生制度』(つまりタダ働きのお手伝いさんです)があったそうです。
「奥さんは脱衣場にお金を置いて、私が泥棒かどうかを試しました。それが一番嫌でした」
「パラオ人はいくら優秀でも級長にされなかった」
「『島民』と呼ばれ野蛮人のように扱われた」
などと語りました。
国内でも兵隊さんは威張り散らしていましたから、統治領で現地人を差別し横暴であったろうことは想像に難くありません。
両陛下の訪問には歓迎の声が多いようですが、女性は、
「私たちは一番下だから会えないんでしょう」と語りました。
|
|
スポンサードリンク
スポンサードリンク
関連記事
-
よ〜く分かる 従軍慰安婦 朝日新聞32年間の大誤報(2)
前記事:よ〜く分かる 従軍慰安婦 朝日新聞32年間の大誤報(1)の続きです。 その後も
-
数十万人のデモで混乱 香港で何が起こっているのか?
国慶節の今日、ホンコンでは数十万人のデモが各地で発生し、返還後最大の混乱が起きています。
-
ホンダ次期NSXがニュルブルクリンクでのテスト中に炎上
来年発売予定の新型NSX 来年発売予定のホンダ次期NSXが、ドイツのニュルブルクリンク
-
よ〜く分かる 従軍慰安婦 朝日新聞32年間の大誤報(3)
前記事:よ〜く分かる 従軍慰安婦 朝日新聞32年間の大誤報(2)の続きです。 1996
-
TBS 慰安婦問題の英文パンフの製作に政府が深く関与と報道(1)
今年5月、日本の民間研究機関が発表した慰安婦問題に関する英文のパンフレットの作成に、政府が深