妻を乳がんで亡くして【乳がんの転移再発・余命宣告編】
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生活・文化
この記事は、以下の記事の続きです
妻を乳がんで亡くして【乳がんの発症〜乳房・リンパ節切除編】
妻を乳がんで亡くして【手術後の抗ガン剤治療・放射線治療編】
乳房切除後、さらに抗がん剤治療と放射線治療を耐えた妻を待っていたのは、「乳がんの遠隔転移」という残酷な現実でした。
乳がんの骨への転移
妻は、明るく元気いっぱいで、誰とでもきさくに話をする女性でした。
乳房の切除手術後も、少なくとも表面上は驚くほど明るくふるまっていました。
抗がん剤治療や放射線治療の終了後も薬を服用し、定期検査を受け、その合間に、年に2回ほど、友人や実姉と国内旅行を楽しんでいました。
ディズニーリゾートや金沢、そして京都。
最後の旅行は、昨年2015年の4月の京都でした。
その旅行に同行した実姉に、時折、腰が痛いとこぼしていたそうですが、実姉が根をあげるほど京都中を歩き回り、御朱印集めに熱中していたようです。
その翌月5月のある日、激しい腰痛となり、1週間ほど寝たきりとなりました。
私はすぐに骨への転移を懸念しましたが、整形外科を受診した妻は、再発ではなく腰を痛めたと話しました。
しかし、後から知ったことですが、実際には骨への転移再発でした。
妻の死後に病院の伝票を整理したところ、整形外科の後に、乳がんを治療した公立病院の乳腺外科も受診していましたので、妻はその時に骨への転移を知ったはずです。
しかし、家族にも、そのことを話しませんでした。
家族にがんの転移を話さなかった妻
妻が乳がんの転移再発を家族に話さなかった理由は分かりません。
そのことを受け入れられなかったのか、家族の絆を感じなかったのか。
いずれにしても、主治医からどのような話があったのか、分からないままです。
その後、妻は歩けるようにはなりましたが、痛みは残り、杖が必要でした。
それでも、よく京都のガイドブックを見ては、ポストイットでマークしていました。
実姉とは、秋にまた行こうと約束していたそうで、腰痛が取れたら行けると思っていたのか、もう行くことはできないと思いながら見ていたのか、これも今となっては分かりません。
余命半年の宣告
7月に入ると、今度は、何か食べると激しい吐き気に苦しむようになりました。
肝臓が悪くなっているとのことで精密検査したところ、肝臓にもガンが遠隔転移しており、乳がん治療の主治医から、余命半年と宣告されました。
7月下旬のことです。
しかしこの時も、病院から帰ってきた妻は、家族に「検査の結果、肝臓は大丈夫だった」と話し、「お祝い」と自分で寿司を買ってきました。
もう寿司も食べられなくなると分かっていて買ってきたのでしょう。
この時点でも家族に話さなかった心境は計り知れませんが、妻の言葉を真に受け、異変に気づかなかったことを悔やまない日はありません。
乳がんが遠隔転移すると治癒しない
乳がんが1箇所でも遠隔転移すると、それは乳がんが全身に広がってしまったことを意味します。
したがって、発症した部分だけを治療しても、カラダの他の部分に転移したガンが再発するため意味がなく、手術は選択肢に入りません。
放射線治療も、全身に照射するわけにはいきませんので、通常は選択されません。
また、抗がん剤も副作用が強く短期間しか使用できません。
乳がんのホルモン療法
残るは、ホルモン療法です。
転移した場合も、「乳がんの転移がん」というような言い方をします。
それは、転移したがんの性質は元の乳がんと同じものなので、どこに転移しても、乳がんに対するものと同様の治療が行われます。
乳がんはいくつかのタイプに分類されますが、女性ホルモンでがん細胞の増殖が活発になるものがあります。
そこで女性ホルモン(エストロゲン)を抑制し、がん細胞の活動を抑えるのがホルモン療法です。
妻の乳がんはこのタイプだったので、骨や肝臓に転移したがんの治療方法として、6月からホルモン注射を行なっていたようです。
ホルモン治療は、女性ホルモンを抑えるので、副作用として更年期障害と同様の症状が出る場合が多いようです。
カルシウム不足になりやすいので、歯の治療も勧められ、7月下旬に歯科を受診していました。
また、ホルモン療法には注射と内服薬があり、閉経前と閉経後では、薬剤が異なります。
妻は、4〜5週間おきに、お尻に注射をしていましたが、注射後も2週間ほど痛みが残ったようです。
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