シン・ゴジラは今後の邦画の製作基準になる…ならいいな

絶賛上映中のシン・ゴジラ。私もゴジラ映画の最高傑作だと思う。

しょーもない作品が多い日本映画界が、これからはシン・ゴジラを基準に映画作りをしてくれればと願わずにはいられない。

良かった点と、ずっこけた点もとりあえず挙げてみた。

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シン・ゴジラはゴジラ映画の最高傑作

遅ればせながら「シン・ゴジラ」を見た。
（熊本市近郊は地震の影響で4つのシネコンが全て再開時期未定なのよ）

ハリウッドの「マグロ食ってるようなの」や「2014年ゴジラ」を含め、ゴジラ映画の最高傑作と言ってしまう。

1954年の第1作を最高とする意見も多いだろうけど。
私は公開時にはまだ生まれておらず、のちにテレビの小さな画面で見たけれども、子供心に「特撮やミニチュアがちゃっちい。子供騙しやん」と思ったくらいなので、私の評価は高くない。

その後の、ミニラの教育パパになったり、シェーをしたり、怪獣同士で会話をしたり、尻尾を丸めて後ろ向きに飛ぶ等々の堕落したゴジラにいたっては、「やれやれ、子供を舐めてるなぁ」とクレヨンシンちゃんのような反応をしたものだ。

エヴァンゲリオンと絡めて批判する意見もあるようだけれども、独立愚連隊の公務員が危機に正しく立ち向かう点＋東京湾の巨大生物という点で、エヴァよりはむしろ「機動警察パトレイバー the Movie」＋ひろみちゃん似の怪物が出てくるOVAの「4億5千万年の罠」かなと。

シン・ゴジラのイロイロと良かった点

良かった点を羅列すると、
カット割のテンポがよく、
定番の親子の絆やら恋愛の葛藤もなく、
例えば天空の蜂のような、うっとしい女房や「痛いよ痛いよ痛いよ痛いよ」と昭和な演技の子役も出てこず、
演技がド下手なアイドル系みたいなのが流れをぶち壊すこともなく、
序盤でいきなり「あれはゴジラじゃ」と言い切る村の長老や、「あれはビオランテだ」と命名する博士もおらず、
リアルなセリフとストーリー展開と映像で見事な映画でございました。

また、高島政伸みたいな肩に力が入りまくった指揮官もおらず、なんちゃらXみたいな、現在のテクノロジーではありえない、しかも役に立たない兵器も登場せず、ほぼ有り物のメカやテクノロジーの組み合わせで対処するところも説得力が。

部門によって使用しているパソコンのメーカーが違う等、特定のメーカーや会社が目立つようなタイアップ感が無いのもリアリティ感を増していた。

予告編でも登場するヘリや戦車のシーンのカメラワークもお見事。

自衛隊の通信を始め、政府のなんちゃら会議の用語や官僚の動きもリアルだったけれども、子供や女性には何を言ってるのか分からず、難解な映画に感じてしまうらしい。
しかし、それについてこられない人は、置いていくしかないかな。

金子修介監督でダメダメだったので諦めていたが

平成ガメラの金子修介が監督（ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃）した時には期待したが、ゴジラだと口出しする人が多いのか、しがらみが多いのか、伊藤和典が絡まなかったせいなのか、全くの期待外れで、DVDを途中で見るのを止めてしまった。

そのため今回も製作を聞いた時には、「結局、いつものゴジラになるんでしょ」と興味は湧かなかったが、庵野秀明総監督は、見事にそれらを吹き飛ばしてくれた。

ただ、先に「恋愛の葛藤」が無かったことを良い点に挙げたものの、「平成ガメラ2・レギオン襲来」は、永島敏行・吹越満・水野美紀の淡い三角関係や、プラネタリウムで水野美紀が台上から降りる際、永島敏行が手を差し出したが無視されたところなどの細かい演出が、怪獣映画の深みを増したと高く評価している。

シン・ゴジラのずっこけた点を強いて挙ると

話がズレてしまったけれども、シン・ゴジラずっこけたところを強いて挙げると、

大田区の川を遡上する第2形態の「目」の作り物感。
それと、二足歩行になった第3〜第4形態が、口を開けたシーンというか口の中が、のっぺりとレッドスネークカモン的な質感だった。
庵野総監督は、ゴジラのCGにあえて着ぐるみ感を出したという話だが、その意図は私には理解できない。

そして、「ゴズィーーラ」と発音する石原さとみ。
これまで出演したドラマは記憶に残ってないが、CMのイーオン、果汁グミ、ふんわり鏡月、マイナビではいい感じだったので期待していたが、「あれれ？」だった。
ブラタモリの時はいい感じだった桑子真帆が、ニュース チェック11では「あれれ？」になった（個人の意見ですw）のとダブってしまった。
 
 

石原さとみよりもミスキャストだと思うのは女性防衛大臣

その評判の悪い石原さとみよりミスキャストだと思うのが、防衛大臣役の余貴美子。
この方は、よく政治家や偉い人を演じることがあるが、その時の表情は決まって「睨みつけるような目と、への字に結んだ口」だ。

実際の女性政治家が↑こんなだからリアリティがあると言えなくもないが、きっと彼女が権力者を演じる時のテンプレの表情なのだろう。
私なら、力みのない防衛大臣を演じる役者を使う。

▼私とは逆に絶賛の意見が多いようだけど

余貴美子演じる花森防衛大臣、ほんと良い。

「総理。撃ちますか？いいんですか！」
「ご決断を！総理！」
「頼んだわよ。」
「残念ですが、ここまでです。」

花森防衛大臣に急かされ、頼られ、諭されたい人生だった。#シンゴジラ pic.twitter.com/BZXWUttWVY

— シン・べすた@これからもハンソロ (@pacific_boy525) 2016年8月4日

 
その点、統合幕僚長役の國村隼が「仕事ですから」と言った時の笑顔はよかった。
好きな役者さんだが、最近、WOWOWドラマの「沈まぬ太陽」で、冷酷な経営者役のイヤな表情を見ていたのでホッとした。

▼元自衛官が私と似た意見を書かれています
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160916-00136129-toyo-soci

京急関連のツイートで盛り上がっているが、そもそも架線が切れているのに電車は動く？

一緒に見た連れは、ゴジラが口を開けて倒れたから「注入」できたけど、「ごめん寝」したらどうするつもりだったのかなと突っ込んでたw

▼我が家の猫の「ごめん寝」。ちょい不完全体だけど

それから、ゴジラが線路に横たわって架線がぶった切られてるのに電車が動くのか？と思わなくもないが、ま、それはいいかな。

▼京急関連のツイートも盛り上がってるw

@tgmikko165 それ、列車破壊とか路線破壊とかを映像で許諾出してくれる鉄道会社が京急しかないって事情もあるんです。JR東海や東武（押上のあれ）をゴジラに壊されるのは許諾が出ないんです。例えば模型でも･･･。

— 平沢紫電改 (@Hirasawa_n1k2) 2016年8月13日

シン・ゴジラ感想
私の大好きな京急が吹っ飛んだのは笑った。
そして鉄道で京急だけが運休であとの各線は通常運行なのも笑った。
知ってる？京急だけが台風とかで各線運休でも普段止まらないんだよ？

— チーム３５ (@mamizoo666) 2016年8月14日

ボランティアエキストラへの演技指導の困難さ

下のツイートは、蒲田でロケした際にボランティアエキストラに配られた演技心構えの文書。スタッフの熱い思いが溢れている。

2015年9月6日、蒲田駅前シン・ゴジラロケ。エキストラに配られた"演技心構え"テキスト。(通称:蒲田文書) #シンゴジラ pic.twitter.com/R22Sl9ThvN

— 支部長（元リングス熱視会福岡支部) (@shimokas) 2016年8月1日

 
ただ、ロケ地は違うが、予告編でも流れるゴジラの尻尾が街の上を横切るシーン。
これもボランティアエキストラの方々だと思うけど、頭上に得体の知れない巨大なモノが迫ってきたら、反射的に頭をすくめるか、しゃがみこむかするんじゃないかなと思った。

「シン・ゴジラ」予告編でゴジラの尻尾が街を横切るカットのロケ地は、鎌倉市御成町9-1の交差点辺り。 pic.twitter.com/lkLYXV4EPQ

— ロケ地マニアックス (@LocationManiacs) 2016年4月24日

オペレーションルームは2日間6万円でレンタル

冒頭にも載せたこの写真は、オペレーションルームのロケ地、有明の東京臨海広域防災公園。先日、東京に行った知人が撮ってきた。

映画でこのシーンを見た時には、コピー機やプリンターやモニターをあんなにたくさん手配するのは大変だったろうなぁと思ってたけど、この部屋まるごと2日間6万円（他の部屋を含めて10万円）の格安でレンタルできたらしい。

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