ソニーとパナが有機ELから撤退 あれ?次世代TVじゃなかった?
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経済・科学
次世代テレビのはずだった有機ELディスプレイから、パナとソニーが撤退しました。
サムソンも投資を停止しています。
その理由は?
有機ELに未来はあるのでしょうか?
ソニーとパナソニックが有機EL事業を売却。サムスンも投資中断
次世代テレビの「本命」として有機ELディスプレーの開発をしていたソニーとパナソニックが、ともに有機EL事業から撤退する方針を固めた。大型化に伴う製造コストの引き下げなどが難航したためだ。有機ELの大型テレビ開発から日本勢が事実上、姿を消す。韓国メーカーが開発してはいるが、割高で市場は伸びていない。
ソニー、パナソニックとも、官民ファンド「産業革新機構」が出資するジャパンディスプレイ(JDI)にそれぞれの有機EL事業を売却する方向で調整している。ともに6月中にも基本合意する見通しだ。JDIはタブレットやスマートフォンなどに使う中小型画面に絞って開発を進める。
両社とも、不振のテレビ事業を立て直すには、課題の多い有機ELに投資を続けるよりも、高精細の「4Kテレビ」など液晶テレビの開発に集中する方がよいとの結論に達した。(朝日新聞デジタル)
先日も、韓国のサムスンが、量産ラインの設置計画を取りやめ投資を中断するというニュースが流れました。
また今年2月には、有機ELパネル(照明)の有力ベンチャー企業であるイー・エル・テクノも倒産しました。
次世代テレビのディスプレイや、LED照明の次は有機ELになると思ってましたが、どうやらそうではなくなったようです。
有機ELとは?
ELは、エレクトロ・ルミネセンス(Electro Luminescence)の略。
有機ELは、電気を流すと光る性質をもった有機物質(発光体)を使い、ディスプレイや照明製品が開発されています。
TFT-LCD(液晶)と比べると、非常に鮮やかな発色,広い視野角が広い,低消費電力,応答速度が速いといった特長があり、高いポテンシャルを持っています。
また非常に薄く、プラスチックやフィルムなどにも貼付けることが出来るので、Rがついた(曲がった)ディスプレイや照明が作れます。
(例)コンコースなどの柱に巻き付けたりといったフレキシブルな形状のディスプレイ
スマホでは一般的になったが
小型の有機ELディスプレイは、バックライトが不要なので消費電力が少なく、薄型軽量化でき、部品点数が少ないといった特長がありますので、スマホでは一般的なディスプレイになっています。
欠点と言えば、焼き付きが問題になる程度でしょうか。
しかし20インチ以上の有機ELディスプレイは製造方法が大きく異なり、コストがかなり高くなっています。
TFT-LCDテレビは、50インチでも10万円台で売られていますが、有機ELテレビは100万以上の価格です。
いくら画質が良くても、この価格差では、なかなか売れないでしょう。
またバックライトが必要になるので、消費電力も多くなります。
TFT-LCDテレビと比べて、2〜3倍にもなるようです。
そういった点が、日韓の家電メーカーの相次ぐ撤退などにつながったと思われます。
有機ELに未来はない?
有機ELパネル(照明)はまだ実用化されておらず、有機ELテレビの商用化も実質的に頓挫してしまいました。
では、有機ELに未来はないのでしょうか?
前述したように有機ELには高いポテンシャルがあります。
家庭用の大型テレビとしての普及は難しそうですが、超薄型やフレキシブルといった特長を活かした画期的な商品が、近い将来発表されることを期待します。
それも、できたら日本のメーカーから。
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