ラッシュ/プライドと友情(1) ラウダとハントの実録映画[ネタバレ]
公開日:
レビュー
映画『ラッシュ/プライドと友情』。
主役2人の雰囲気も似ており、ディテールまでこだわったリアリティ。
当時を見事に再現した秀作でした。
ラウダとハントに友情?
当時を知る者として、また舞台となった1976年F1世界選手権inジャパンを観戦した者として楽しみにしていた『ラッシュ』。
封切り初日に観てきました。
『プライドと友情』という安っぽいサブタイトルに少しイヤな予感がしていましたが、杞憂でした。
少々、はしょってあったものの、F3時代からF1までの二人の関係を丹念に描いてありました。
そもそも二人はライバルだったのか?
当時のハントの評価は(私だけだったかもしれませんが)、ラウダが事故で休まなければチャンピオンになれなかったはずで、その後はチャンピオン争いに絡むことが無く数年後に引退したので、ラウダより格下と思っていました。
ですから、映画でラウダとハントのライバル関係を描くと聞いて「そもそもラウダはハントをライバル視していたのか?」という疑問もありました。
が、この映画を観て、そしてエンディングで当時の写真ととも「唯一、畏怖していたドライバーだ」というラウダのナレーションが流れたことで、この映画は本当なんだなと納得できました。
ラウダが社交辞令を言うとは思えませんしね。
ディテールまで再現した見事なリアリティ
マシンやサーキット、レーシングスーツ、ヘルメット等、ディテールまで再現したセットや小物は、カメラワークやサウンド、少し粗い画質と相まって、リアリティの溢れる映像でした。
オープニングで、フェラーリ312Tのリアのアップとともに、フラット12の全開のエキゾーストノートが大音量で流れた時はウルっときました。
主役の二人、特にラウダ役のダニエル・ブリュールはとても良く似ており、他にもクレイ・レガツォーネ役や、ドライバーズミーティング等でチラっと写るドライバー達の中にも「あ、ロニー・ピーターソンだ。マリオ・アンドレッティだ」と一目で分かる役者が起用されていました。
また、FISCO(富士スピードウェイ)のシーンは、日本でのロケはしていないそうですが、日本語の場内アナウンス、コースの水たまり、今では考えられないスポット参戦、しかもこの1戦のためだけに作った国産マシンのKE007、そして駐車場に当時のセリカが写っていたりと、随所に細部へのこだわりを感じる作品でした。
DVDが出たら、スローやポーズをしながら、各シーンの細かい部分をチェックしてしまいそうです(^_^;)
当時は情報に飢えていました
当時は、TBSが年に数回、深夜放送する程度で(しかも新聞を取っていなかったので、翌日友人から放送があったことを聞いて膝から崩れ落ちる)、ネットはもちろんありませんし、ビデオも一般家庭で買える価格ではありませんでしたから、F1の動画を観ることはめったにありません。
F1のドキュメンタリー映画がいくつか封切られ、ニュース映像を切り貼りしたようなおおざっぱな作品でしたが、情報に飢えていたファンでけっこうな入りでした。
車載カメラ(当然CCDカメラは有りませんから、でかい35ミリカメラを積んで撮ったハズ)のシーンでは、観客の頭がコーナーに合わせて左右に振れ、シーンが切り替わったら、「フ~ッ」と詰めていた息を吐き出す音が聞こえたのを思い出します。
紙媒体では、月に2回発行のオートスポーツが唯一と言っていい雑誌で、数週間から1ヶ月遅れで、レースレビューと写真を見ることができました。
ですから「リアリティ溢れる」と言ってはいますが、当時見聞きした情報は少なく、実は、当時のままの映像かどうかは分かりません(^_^;)
むしろ「あ、当時はこうだったんだ」と、記憶の補完をすると言った方が正しいかもしれません。
その意味でも、この映画は楽しめました。
上映期間は短い?
日本では、F1やモータースポーツ映画のマーケットは小さいと思うので、F1、しかも40年近く前を題材にしたこの映画が多くの人の興味を引くとは思えません。
興行的に成功するかは疑問です。
シネコンが増えた影響か、かなりの話題作でも、上映期間が短かったり、1日1回程度の上映になったりしますので、観ようと思ってる方は早めに行った方がいいかもかもしれませんね。
次記事:ラッシュ/プライドと友情(2) 1976年F1世界選手権inジャパン観戦記とその後
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