エボラ出血熱の感染リスクに関して現在分かっていること
公開日：
経済・科学
27日、入国した男性のエボラ感染が疑われ、結果は陰性でした。
発熱しただけなのに騒ぎ過ぎだと思います。
日本での患者発生は時間の問題だと思いますが、エボラ出血熱の感染リスクの正しい知識を身に付け、パニックにならないようにしましょう。
発熱していただけなのに騒ぎ過ぎでは？
27日、リベリアから入国した男性にエボラ感染が疑われましたが、検査の結果、陰性と分かりました。
エボラ出血熱は、発症後3日間は陽性とならない場合があるので、男性はまだ入院中です。
それにしても、発熱していただけでニュース速報が出るなど、騒ぎ過ぎではないか思います。
政府は当初、公表の予定はありませんでしたが、マスコミに漏れたため、騒ぎを沈静化させるために厚労相に会見を指示したそうです。
これから冬になり、風邪にかかった乗客の増加が予想されますので、空港の混乱が心配です。
エボラ出血熱の感染リスクについて正しい知識を
潜伏期間中は入国の際に見分ける事はできませんので、日本国内での発症者が出るのは時間の問題でしょう。
致死率が小数点以下とされるデング熱であの騒ぎでしたし、今回の「発熱」だけで中継車が出ましたから、エボラ出血熱の患者1号が出た場合は、どれほどのパニックになるのか。
その時のために、エボラ出血熱の感染に関する正しい知識を身につけておきましょう。
感染ルートは？
発症した患者の体液，分泌物，血液，便，吐しゃ物など触れた場合に感染します。
狭い空間で患者がくしゃみをした場合、唾液の飛沫が飛ぶので、感染の可能性があります。
正確には、それらを吸い込んだり、触れた手で、口や鼻等の粘膜や傷などに触れた場合に感染します。
患者は激しい下痢や嘔吐をするので、細かい飛沫が空気中に飛び散りますから、マスクをしていないと吸い込む恐れがあります。
ちなみに、便器のフタをせずに水を流した場合、便の微粒子がトイレ内にたっぷりと飛び散る事がわかっていますから、フタした方がいいですよ。
現時点で、日本国内にエボラの発症者がウロウロしている恐れはありませんが、インフルエンザやノロウィルスなどの感染症の予防の意味でも、帰宅時の手洗いとうがいを励行しましょう。
なお、人は、思ってる以上に頻繁に手で顔を触っています。
つり革や手すり等、いろんなところを触った手で顔を触ると、鼻や口からスリ傷から病原菌が入りますので、「外出中は、肩から上に手を上げない」ことを心掛けると、かなりの予防効果があります。
なおエボラウイルスは、ノロウイルスと異なりアルコールで死滅しますので、一般的な消毒方法が有効です。
潜伏期間は？
2日〜3週間です。
潜伏期間中は、他の人には感染しません。
したがって、まだ発症していない感染者が同じ電車や飛行機に乗っていたとしても、感染の恐れはありません。
子供や高齢者は重症化しやすい？
45歳以上は重症化または死亡する割合が高いというデータが出ています。
子供（15歳未満）については、特にその傾向が高いということはありません。
自分が感染したかもしれないと思う場合は？
（現時点では、日本国内でエボラに感染する可能性は無いと考えられるので、エボラ発生地域からの帰国者の場合に限られますが）
一般病院に行かず保健所に連絡し、その指示に従いましょう。
感染した場合の発症率は？
西アフリカの流行地域で、感染したが発症しない人（不顕性感染・ふけんせいかんせん）の割合がどれほどなのかというデータを取っていないので、発症率は不明です。
また、発熱しても軽症のまま回復した人も多いと思われますが、そのデータもまだ不明です。
発症したら、どの時点で人に感染する？
発病したら、まず熱が出て、頭痛，倦怠感，筋肉痛といった風邪やインフルエンザに似た症状が出ます。
その後、激しい下痢や嘔吐，腹部痛の症状が出て、重症化すると、吐血や下血，全身からの出血で死に至ります。
死亡率は50％〜80％と言われています。
前述のように潜伏期間中は他の人に感染しませんが、発症後も早期は感染しにくいと言われています。
リベリアから帰国したアメリカ1号患者（既に死亡）も、具合が悪くなり始めてからの数日間一緒にいた家族には感染していません。
発症の何日後からウィルスを大量に排出する（感染しやすくなる）のかは分かっていません。
しかし、西アフリカの統計データでは、発症後回復した人からの感染した人数は0.66人に対し、死亡した患者からの感染した人数は2.3人となっていますので、このことからも、重症化したり死亡した場合は感染力が強くなることが分かります。
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