週刊現代が報じた「盲導犬オスカーは刺されていなかった」
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週刊現代が11月22日号で報じた「フォークで刺されたはずの盲導犬オスカー『実は刺されてなんか、いなかった』。
いまだに犯人逮捕どころか、何の目撃情報も無い「盲導犬オスカー事件」。
実は刺されておらず、犯人はいないということを、警察も関係者も飼い主も気づいているそうです。
盲導犬オスカーの腰をフォークで刺した犯人?
7月28日、盲導犬のオスカーが、埼玉県のJR電車内か駅構内で刺されたとされた事件。
1ヶ月後の8月末に新聞報道され、NHKニュースでも報じ、ワイドショーで連日取り上げました。
埼玉県警は、憤慨する世論に押されるように、30〜40人体制という飼い犬への傷害(器物損壊)としては異例の体制で捜査を開始しました。
この事件報道直後に、同じ埼玉県で起きた盲学校に通う女子生徒を蹴った事件はすぐに容疑者が見つかったのと対照的に、オスカー事件は犯人は捕まらず、目撃証言もありません。(なお女生徒の事件は、容疑者に精神障害があったので、報道が一斉に引いてしまいました)
埼玉県警には、「早く犯人を逮捕して」や「何をやっているんだ!」という「叱咤激励」の電話があるそうです。
獣医の間では当時から「皮膚病ではないか?」という意見が
私も、当時、このブログでこの事件を取り上げました。
盲導犬を刺す愉快犯はサイコパス 何としても逮捕を
また、こんな事件があると、必ず「自作自演だ!」と罵倒する人たちが現れます。
実は私も、電車や駅構内でTシャツをめくって刺したという不自然さから、自作自演がチラッと頭をよぎったものの、飼い主にそんなことをする必然性は無く、あり得ないと、頭から消し去りました。
その後、皮膚病を指摘する声もありましたが、フォロー記事を書く程の資料も確証も無く、そのままにしていました。
事件当日の新鮮な傷口にしては、炎症が広がり過ぎているそうです。
参考記事:どうぶつ病院診療日記「盲導犬の傷はフォークか、皮膚病か」
獣医は「フォークで刺された」と断定していない?!
そして今回の週刊現代。
「オスカーの傷は皮膚病だった事を、警察も、近所の人も、関係者も、そして飼い主も気付いている」としています。
大型犬が夏に掛かりやすい「膿皮症」ではないかと書かれています。
では、フォークで刺されたと診断した獣医はどう考えているのか?
週刊現代ではその獣医を取材しています。
「フォークで刺されたと断定してはいない。
皮膚病の可能性も充分あると思っていた。
ただ、飼い主が出血の前に皮膚に異常はなかったと言っていると聞いたので、刺された可能性も否定できないと答えた」そうです。
えぇ〜?!
皮膚病であれば、出血箇所の細菌等を調べればすぐ分かるのではないかと素朴に思います。
ウチの掛かり付けの獣医さんは、血液や分泌物をその場で顕微鏡で調べたり、培養器にかけたりして、細菌の有無や種類、トラブルの原因を説明してくれますよ。
警察は身動きが取れなくなっている?
もともと、オスカー事件が世間に知られたのは、飼い主の同僚の家族が朝日新聞に投稿したことがきっかけでした。
同僚も、投稿した家族も、もちろん飼い主も「刺された」と信じただけで、世間を騙したり騒がそうとしたつもりは無かったことは、言うまでもありません。
それだけに、「犯人はいないので捜査をやめます。皮膚病でした」と発表すると、彼らに非難が集まることが予想されるので、警察は身動きが取れなくなっているのかもしれません。
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皮膚病と断定できるものか。今となっての獣医の証言もなあ。通り魔犯の仕業ではないことはほぼ確定したわけだが。長崎のアトムの件も忘れてはいけない。