大塚家具で何が起きている? 泥沼の父娘の争いを簡単解説
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経済・科学
父娘で、社長の座を獲ったり獲られたりしている大塚家具。
泥沼の親子喧嘩の経緯を簡単解説します。
会員制で担当者張り付き接客の高級家具店
家具販売会社の大塚家具で、社長の座をめぐり異様な内紛が続いています。
大塚家具は東証ジャスダックに上場し、資本金10億8000万円、2013年は売上約562.3億円、純利8.5億円を上げています。
全国16ヶ所に大規模なショールームがある、高級家具の販売会社です。
1996年から全店で会員制となり、受付で住所氏名等を記入すると、営業担当者が付きっきりで接客したそうです。
しかし10年程前、小倉駅(福岡県北九州市)近くのショールーム(現在は有りません)に行った時には、声を掛けられること無く、自由に見て回れました。
「会員制+担当者付きっきり接客」の運用は徹底していなかったのかもしれません。
イタリア製の素晴らしい家具が並んでいましたが、100万円クラスのものばかりで、とても手が出ませんでした。
娘に社長を譲ったが売上が伸びず父が奪回
創業社長の大塚勝久氏(71)は、「付きっきり接客」や「特別感」が重要として会員制を推進しました。
しかし、順調に伸びていた売上は、2000年を境に横ばいとなります。
そこで、娘の大塚久美子氏(46)が
「誰でも気軽に入れるカジュアル感が必要」と主張して、2009年に社長に就任し、勝久氏は会長に退きます。
久美子氏は、記者会見でも
「ちょっと高い、気軽に入れないといったこれまでの大塚家具のイメージを捨てていただきたいと思います」と語るなどし、「IKEAと同価格帯で、品質は上」を目指しました。
しかし、久美子氏の社長就任後も売上は横ばいが続き、業を煮やした勝久氏が2014年7月に社長の座を奪回しました。
また娘が社長の座についたと思ったら
勝久氏は、「付きっきり接客路線」に戻しましたが、売上は逆に下がります。
久美子氏は、勝久氏の社長復帰5ヶ月で、来客数が2割減り、4年ぶりの赤字なったことから、今年の1月、経営体制を刷新を求めた株主提案を表明。
役員会は、久美子氏の社長復帰と勝久氏の会長専任という2014年7月の体制に戻すことを決定しました。
さらに2月13日には、勝久氏が業績悪化で会長を引責辞任する完全引退が発表され、今後は久美子氏が最高責任者となり、会員制の廃止を打ち出しました。
周囲は「やれやれ、これでようやく決着」と思ったでしょう。
しかし2月17日、勝久氏が会長再任と久美子氏の社長辞任を求める株主提案をしていることが明らかになりました。
泥沼の親子げんかの行方は、まだ不透明のままです。
顧客から見放されてしまう
お家騒動でトップがコロコロ代わり、真逆の方針を打ち出す。
社員に同情します。
今後こんな会社に就職したいという人は激減するでしょう。
お客も、「会員制の店」が「気軽に入れる店」に変わったと思ったら、また「付きっきり接客」に戻り、半年でまた「気軽に」では混乱します。
そんなめんどくさい店は、顧客から見放されるであろうことは、誰にでも分かると思います。
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