世界一の気象衛星『ひまわり8号』画像で天気予報が進化する
公開日:
経済・科学
昨年10月に打ち上げられ、試験運用中の新しい静止気象衛星『ひまわり8号』。
世界一の解像度と言われる『ひまわり8号』と、現在の『ひまわり7号』との比較画像が公表されました。
天気予報や黄砂、火山噴煙観測等の大幅な精度アップが期待されています。
ひまわり8号・関東地方の画像比較
関東地方の可視画像比較です。
ドットが大きな7号に比べ、8号の画像は、海岸線の輪郭や、雲、富士山頂の積雪がクッキリとしています。
※以下、2つ並んでいる画像の場合、全て右側がひまわり8号です
ひまわり8号・地球全体の画像比較
フルディスク(地球全体)の可視画像比較です。
8号は解像度が約2倍になり、カラー化されています。
さらに観測頻度が、7号の1時間毎に対し、8号は10分毎ですので、緻密な変化が観測できるようになりました。
ひまわり8号・積雲発達の観測動画
積雲発達の観測比較動画です。
日本付近の観測頻度が、7号の30分毎に比べ、8号では2.5分毎の観測が可能ですので、積雲の急な発達によるゲリラ豪雨などの監視精度が向上します。
ひまわり8号・台風の観測動画
ひまわり8号が3月に撮影した台風4号の観測動画です。
7号は30分毎に観測していますが、8号では2.5分毎に観測可能ですので、台風の進路や勢力変化の細かい監視が可能になり、予報精度が向上します。
これまでの気象衛星写真では空洞だと思われていた『台風の目』の中で、雲が発生したり消滅したりを繰り返していることが明らかになりました。
ひまわり8号・黄砂観測動画比較
黄砂観測動画比較です。
7号の白黒画像では、雲と黄砂を見分けることは困難ですが、8号ではカラー化に加え、高機能のセンサーを搭載しているため16種類の電磁波を捉えることができます。
そのため、雲と黄砂では反射する光の波長が異なる性質を利用し、黄砂を茶色、雲を薄い青色や白で表示した合成画像が可能で、黄砂をハッキリと観測できるようになります。
ひまわり8号・桜島の噴煙観測動画
鹿児島県の桜島噴煙観測の赤外線動画です。
7号の30分毎の白黒画像でしたが、8号では2.5分毎と頻度が上がることに加え、前述の黄砂の場合と同様、火山灰と雲では反射する光りの波長が異なる性質を利用し、火山灰をピンク色に目立たせることが可能になります。
ひまわり8号・オホーツク海の流氷観測動画
オホーツク海の流氷観測動画です。
7号の白黒画像では、雲と流氷を見分けることは困難ですが、8号ではカラー化に加え、雲と流氷では反射する光の波長が異なる性質を利用した合成画像で、流氷を薄い青色で表示し、よりハッキリと観測できるようになります。
ひまわり8号は、7月からの本格運用が予定されていますので、夏の豪雨や台風の予報精度アップが期待されます。
気象庁の西出長官は「高機能の衛星データをしゃぶりつくすくらい、徹底的に利用し尽くしたい」とコメントしていましたw
↓静止気象衛星「ひまわり8号」打ち上げ中継(H-IIAロケット25号機)
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