尖閣諸島に中国が侵攻する日 その時欧米は日本の味方になるか?
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海外
勝手に海底資源掘削を開始し、ベトナムの警備艇を攻撃した中国の監視船。
他人事ではありません。尖閣諸島にも同じことが充分に起こりえます。
その時、国際社会は?
中国船がベトナム船を攻撃
南シナ海の西沙諸島の周辺海域で、中国の大型監視船がベトナムの警備艇を相次いで攻撃し、ベトナム側には負傷者が出ています。
これは、中国とベトナム両国が領有権を主張する同海域で、中国が一方的に海底資源の掘削作業を始めたため、それに反発したベトナムが警備艇等を約30隻を現場海域に派遣。
掘削を護衛していた中国の大型監視船が、ベトナムの警備艇に体当たりや高圧放水銃で攻撃したのが発端です。
ベトナムの非難に対し、中国側は当初攻撃を否認していましたが、ベトナムがビデオを公表すると、「ベトナムが先に170回も攻撃して来た」と発表。
その回数も、発表のたびに、171回,180回と、日中戦争の被害者数のように増えるという、いかにも中国らしいものです。
南シナ海は、さらに南方の南沙諸島海域を含めて領有がハッキリせず、海底資源をめぐって、周辺国のフィリピン,ベトナム,マレーシア,ブルネイの4ヶ国に加え、とても周辺国とは言えない中国,台湾も領有を主張しています。
(前記事 オバマ大統領 テキサス親父もあきれる慰安婦発言 中国には腰くだけ の「フィリピン海域での中国のムチャクチャ」の項目を参照ください)
ASEANの一部(ラオスやカンボジアは中国から多額の援助を受けていますからASEANの足並みは揃いません)や日米は中国を非難していますが、その程度でたじろぐようでは、もともとあんなムチャクチャな領有を主張しないでしょう。
中国が尖閣諸島に侵攻する日
沖縄の尖閣諸島も、1968年に周辺海底に石油資源が埋蔵されている可能性が発表されたとたん、それまで何も言わなかった中国が領有権を主張し始めました。
今回のベトナム沖や、勝手に建造物を建てたフィリピン沖のように、尖閣諸島に対しても、現在のような領海侵犯だけにとどまらず、上陸して実効支配,日本の領海内に掘削施設建造といった行動に出る恐れが充分にあります。
その時に国際社会は、日本に味方してくれるでしょうか?
安倍首相と中国主席との待遇差
昨年2月に安倍首相が訪米した際、空港で出迎えたのは国務次官補代理でした。
国務省の序列は、長官→副長官→各部門の次官→次官補→次官補代理ですので、信じられない程の下級役人です。
ミシェル夫人は「他に用があるため」と不在で、晩餐会はおろか食事会も開催されませんでした。
前記事:尖閣は安保適用と明言したが 国賓オバマ大統領の日本軽視の数々
それに対して、2011年の胡錦濤前主席は副大統領が出迎え、国賓待遇で、ホワイトハウスでの晩餐会はミシェル夫人が取り仕切りました。
今年の3月に習近平主席が欧州を歴訪した際も、オランダとベルギーは国王が歓迎晩餐会を開き、フランスはベルサイユ宮殿での夕食会で大歓迎しました。
先日、安倍首相も欧州6ヶ国を歴訪しましたが、もちろん晩餐会等の厚遇は受けませんでした。
その背景は、中国の巨大な経済力があります。
習は仏オランド大統領との会談で、「中国がエアバスから航空機を購入」「東風汽車(中国の自動車メーカー)とPSA(プジョーシトロエン)との増資合意」など約50件、総額180億ユーロ(約2兆5500億円)規模の大型契約を締結。
ドイツでは約100億ユーロ(約1兆4200億円)のプロジェクト契約を成立させ、オランダでも食品衛生などに関わる18件の合意を結んだ。
「欧州各国は対ロ関係の悪化で、中国との経済面の結びつきを一段と強める必要はあったでしょう。それを差し引いても、用意周到な経済外交でした。
一方、安倍首相はどうか。
習主席とほぼ同じ国を訪問することで、領土問題などで理解を求める意図もあったと思いますが、経済外交は成果ゼロ。役者の違いは歴然です」
(経済評論家の杉村富生氏)ー日刊ゲンダイー
尖閣はどうでもいい?
外交とは国益です。
尖閣諸島が中国のものになると、アメリカは太平洋の安全保障に関わることになるので、さすがに黙認はしないでしょう。
しかし欧州にとって、極東のけし粒のような島が、日本のものだろうが中国のものだろうが、どっちでもいいのではないでしょうか?
逆の立場で考えると、ドーバー海峡の無人島がイギリスのものだろうがフランスのものだろうが、どっちでもいいですよね。
欧州各国は、一応非難する声明は出すでしょうが、数百億ユーロの商売を棒に振りたくはないので、口先だけで終わるでしょう。
そしてアメリカも、オバマの中国に対する弱腰を見ると、尖閣奪回に動くと期待するのは楽観的かもしれません。
中国様と事を構えたくないオバマは、表面上だけの経済制裁でお茶を濁す恐れがあります。
そして、中国の覇権は、八重山から沖縄本島へとエスカレートするかもしれません。
現状のように「領土問題は存在しない」など言ってても中国には通用しません。
「こちらが軍備を持たず不戦を宣言すれば戦争は起きない」というお花畑な理屈と同じです。
尖閣を獲られないためには
日本にできることは、国際司法裁判所に提訴(付託)することだと思います。
同裁判所は当事国が拒否した場合、裁判を行えないので、中国が同意しなければ、解決することはできません。
しかし、日本単独で付託することで、世界にこの問題を提起することはできます。
中国が獲りにくる前に、国際社会に日本の主張を告知することで、中国が動きにくくなる効果があると思います。
さらに、南シナ海で中国の脅威にさらされている前述の4ヶ国やオーストラリア,インド等と東アジアの安全保障の連携を深めることでアメリカにもプレッシャーを掛け、中国を牽制する必要があると思います。
中国が尖閣を獲ってしまったら、後の祭りですから。
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