ベトナムの歴史 ベトナム戦争後も平和は訪れず そしてドイモイ政策へ
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海外
ベトナムの歴史(3)
ベトナム戦争後に南北は統一されましたが、その後も中国等との戦争が続きます。
国内も圧政で多数の犠牲者とボートピープルが発生します。
そしてドイモイ政策による大転換で経済発展へ。
そんな中で、西沙諸島での中国との衝突。ベトナムは今後どう出るか?
(上の写真は反中デモの様子です)
前記事 ベトナムの歴史・ベトナム戦争〜南北統一・中国が西沙諸島を占領
ベトナムに平和は訪れず
第1次インドシナ戦争からの約30年間で500万人〜600万人が死んだ内戦が終結して南北が統一し、これでやっとベトナムに平和が訪れると思いましたが、そうではありませんでした。
カンボジアはポル・ポトのクメール・ルージュの大量虐殺政策でいわゆるキリングフィールドとなっていました。
1978年に、ベトナムは同胞にも犠牲者が出ていることを理由にカンボジアへ侵攻します。
1979年1月、ポル・ポト政権を崩壊させ親ベトナムの新政権を樹立しますが、同年2月、カンボジアの友好国の中国が報復的に中越国境のベトナム北部へ侵攻します。
中越戦争、またはベトナムのカンボジア侵攻を含め第3次インドシナ戦争と呼ばれます。
兵力は中国10万人以上,ベトナム守備隊3万人と、中国が圧倒していましたが、アメリカとの戦争を戦い抜いたベトナム軍は中国軍を圧倒し、中国軍は大きな損害を出して約1ヶ月で撤退します。
しかし中国政府は、国内外に戦争勝利を宣言しました。
さらに続く戦争
ベトナムは、その後もカンボジア駐留を続け、一時はタイへも侵攻します。
ベトナム戦争当時、世界中のマスコミがアメリカを「侵略国家」と非難しており、子供だった私もそう思っていましたが、その後のベトナムを見て「何て戦争好きな国民なんだ」と呆れたものです。
一方、中国も1984年に再び中越国境を大規模攻撃し、今度は勝利して国境線を書き換えました。
また1988年には、南シナ海の南沙諸島でベトナム海軍と衝突して中国が勝利し、ベトナム領有の一部を奪い、以後は実効支配しています。
いつのまにか人気の旅行先に?!
ベトナムは南北統一後に旧南ベトナム勢力を粛正し、人民裁判等での死亡者は100万人とも言われています。
その圧政から逃れるため、多くの人々が小型船舶で国外に脱出し、ボートピープルと呼ばれました。
カンボジアへの侵攻を繰り返し、国内に圧政を敷くベトナムを国際社会は非難し、経済制裁措置をとり、日本もODAを停止しました。
そんな悲惨な国が、いつのまにか女性に人気の旅行先になっていると聞いて、当初は耳を疑いました。
きっかけは、ドイモイと言われる大きな政策転換です。
ベトナムは南北統一以降、社会主義体制を進めてきましたが、その行き詰まりを解消するため、1986年の12月に市場経済を導入し、国際協力を進めると決議しました。
ドイモイ政策という大転換
1989年:カンボジアから撤収
1991年:中国との国交回復
1992年:日本のODA再開
1995年:アメリカと和解して国交回復。
その後アメリカはベトナムを貿易最恵国とし、多くのアメリカ企業が進出しました。
最近では、軍事面でも接近し、社会主義国でありながらアメリカとの合同軍事演習を南シナ海で行いました。
また市民も、日本と同じように、アメリカと戦争したのにアメリカのことを好きな国と言えます。
ドイモイ以降、年率5%〜7%のGDP成長を続け、活気のある国となりました。
私が行った約5年前も、市場が閉まった夕方から、その周囲に多くの屋台が現れました。
そこでは、昼間の仕事(社会主義国なので公務員です)を終えた若者が、自分で仕入れた衣料品や食料品を威勢良く売っていて、「働いた分だけ生活が豊かになる」そんな希望が溢れていました。
つい最近は、ホーチミン市郊外にイオンモールが開業し、多くの客が押し寄せて話題になりました。
ベトナムには被害を誇りにする文化は無い
これまで述べましたように、ベトナムの歴史は、大国からの支配と戦争の歴史と言えます。
しかし、中国に対してはもちろんのこと、宗主国のフランスや、アメリカ,韓国に謝罪や賠償を要求したことはありません。
それらの国も賠償をしていませんし、公式な謝罪もないと言っていいと思います。
日本だけは、戦争被害の賠償金を、当時国交のあった南ベトナムに支払っています。
ベトナムは「過去を恨むことを恥」とし、「被害を誇りにする文化は無い」そうです。
同じ半島人でも、1000年間支配され搾取された中国には謝罪や賠償を要求すること無く、へつらいながら「ウリジナル」を主張する。
その一方で、歳入の数倍の資金を投入してインフラを整備して国民の生活を向上させ、戦争をしたわけでもないのに破格の賠償金を支払った日本を、いまだに罵倒して「おかわり」を要求する韓国とは、全く異なる国民性と言えます。
しかしそもそも、植民地に対し謝罪や賠償をした国はありません。
せいぜい訪問時のスピーチで「不幸な過去」に触れる程度です。
オランダはインドネシアの独立に際しお金を要求しているほどです。
つまり、国を挙げて過去の恨みを継承し賠償を要求し続ける中韓は、国際社会でも特異な存在と言えます。
日本も、両国に行った賠償を国際社会に広く告知することが、日本と中韓との関係を理解してもらう早道だと思います。
西沙諸島の衝突の今後は?
ベトナムは小国ながら、フランスやアメリカのような大国を打ち破ってきました。
中国とも有史以来戦争を繰り返し、何回もはね返してきました。
今回の西沙諸島の衝突は、今後どうなるのか?
ベトナム国民は反中で盛り上がっていますが、ベトナム政府は、せっかくの経済発展や国際経済協力を台無しにしかねない紛争の拡大は望んでいないはずです。
また、地上戦と違って、ベトナムには海戦の経験が乏しく、軍備も絶望的な差があります。
だからといって、簡単に中国に折れる国民性ではないでしょうし、折れたら国内がもっと荒れるでしょう。
落としどころはどこになるんでしょうか?
日本にとっては尖閣諸島のシミュレーションとも言える事態ですので、しばらくは目が離せません。
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Comment
間違ってることは理由がなんであれ間違ってるんだと思う。それを認めないことが主流になってるからそれが正しんだって主張してるようにしか聞こえないし、みんなでそういう国を目指そうって呼びかけている気がする。大きなお世話。