北朝鮮で異例の日本寄り報道は日朝協議への本気度か?
公開日:
海外
4日に拉致問題のための「特別調査委員会」が発足したことを、北朝鮮がテレビや通信社で報道しました。
さらに、日本出身者への誕生日祝いを報道したり、TVドラマでの日本人の扱いが変わってくるなど、北朝鮮の日朝協議への本気度が伝わってきます。
しかし、懸念する材料もあります。
北朝鮮が特別調査委員会の発足を国内に報道
4日の特別調査委員会の発足について、朝鮮中央テレビはアナウンサーが読み上げて報道しましたので、北朝鮮国内に広く周知されました。
また、朝鮮中央通信HPでも詳細な記事にしています。
このサイトでは、朝鮮語(ハングル)の他、日本語,英語,中国語,スペイン語の計5カ国語で見ることができます。
(気味が悪いのでリンクは貼りませんw)
金正恩氏が日本出身女性の100歳の誕生日に贈り物
朝日新聞デジタルによると、
「金正恩氏が日本出身女性の100歳の誕生日に祝い膳を贈った」と朝鮮中央通信が伝えたそうです。
北朝鮮の朝鮮中央通信は4日、金正恩(キムジョンウン)第1書記が日本出身で100歳を迎えた南浦市在住の女性、ヨンソン・ミンオクさんにお祝いの膳を贈ったと伝えた。
同通信によると、女性は東京の労働者の家庭に生まれ、父親とともに朝鮮半島に移り住み、朝鮮人男性と結婚。一時、中国に渡ったが、日本支配が終わった後の1949年に戻った。夫は、50年に始まった朝鮮戦争で戦死したという。同通信は、女性の生活について朝鮮労働党が「温かく面倒を見た」と強調した。
北朝鮮は同日、拉致被害者を含むすべての日本人について包括的な調査をする「特別調査委員会」の発足も国営メディアを通じて伝えた。今回の女性に関する報道には、北朝鮮当局が日本出身者をこれまでもきちんと把握し、丁寧に扱ってきたと印象づける狙いがあるとみられる。
朝鮮中央通信のサイトで、このソースを探しましたが、なぜか見つかりませんでした。
しかし、食料事情や医療事情が悪い北朝鮮で、100歳まで生きられるものでしょうか?
しかも日本出身者は、日本からの送金が無い限り、最下層の扱いとも言われてますし。
単なる作文じゃないでしょうか?
TVドラマでも日本人に同情的な扱いが
朝鮮中央テレビは、6月25日から5夜連続で「砲声なき戦区」というドラマを放送しました。
太平洋戦争終結直後から朝鮮戦争直前までを描いています。
通常、北朝鮮のドラマに登場する日本人は極悪非道ですが、このドラマでは異なります。
アメリカ兵にいたぶられる捕虜の帝国陸軍将校や、ソ連軍から逃走する日本人女性,満州で略奪される日本人,アメリカ兵に拷問される日本人記者など、日本人に同情的な点が多いようです。
6月25日は朝鮮戦争開戦日なので、毎年、反米ドラマが放送されますが、今回は日朝協議直前でした。
日朝協議に向けて融和ムードを醸成しようと、数ヶ月も前から、このタイミングに合わせて「親日的?」なドラマが作られていたとしたら、その用意周到さは驚きです。
懸念される北朝鮮の腹づもり
特別調査委員会には4つの分科会があります。
拉致被害者・行方不明者・日本人遺骨問題・残留日本人及び日本人配偶者です。
日本側の発表ではこの順番になっていますが、北朝鮮の発表(朝鮮中央通信HPを参照ください)では、日本人遺骨問題・残留日本人及び日本人配偶者・拉致被害者・行方不明者の順番になっています。
北朝鮮は、前2つの日本人遺骨問題・残留日本人及び日本人配偶者をメインに進めるつもりではないでしょうか?
日本出身者の女性の100歳祝いを伝えたのも、その意図があると考えれば納得がいきます。
また北朝鮮は、これまで国内に「拉致問題は解決済み」と発表していましたので、今回の特別調査委員会で日本人遺骨問題・残留日本人及び日本人配偶者の数の方を大きく発表すれば、整合が取れます。
この懸念が杞憂に終わることを祈ります。
スポンサードリンク
スポンサードリンク
関連記事
-
ナッツリターンの風刺画やYoutube、通販サイトが笑える
大韓航空・女性副社長の「ナッツリターン」は、本人や父親である会長の謝罪でも終息せず、刑事告発
-
韓国の和食店 光復節はチョッパリの食べ物を売れないと貼紙
韓国の和食店が「光復節にチョッパリの食べ物を売れない」と貼り紙して休業したことに、韓国でも呆
-
報道される韓国と実際の韓国とのギャップ 訪韓30回以上の経験から
これまで仕事で30回以上訪韓し、友人が何人もできました。 現地で反日差別やイヤな思いを
-
「金正恩暗殺?!」のコメディ映画「The Interview」に北朝鮮が釣られる
10月に全米公開予定の映画「The Interview」に北朝鮮が激怒しています。 金
-
NY近くに7つ目の慰安婦碑 グロテスク像も併設する韓国の感性
7月19日の記事でも書きましたが、8月4日、アメリカ・ニューヨーク近くに、全米で7つ目の従軍