加工食品の99%は産地表示義務が無く あっても分かりにくい
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生活・文化
中国の上海福喜食品が、保存期限切れや腐った鶏肉をマクドナルドやファミリーマートに出荷していた問題。
中国産の食品の安全性が再びクローズアップされています。
できれば中国産食品は食べたくないですが、きちんと原産地表示されているとは限りません。
知らない内に、いろんな中国産を食べてしまっているようです。
<写真は、中国で大量に散布される農薬>
前記事:中国期限切れ肉 しかし肉加工品の42%は中国産の現実(1)
上海福喜食品工場のきれいさに驚いた
今回の上海福喜食品の映像を見た中国の食品会社の関係者が、「工場のあまりのきれいさに驚いた」という話しがあります。
皮肉を言ってるわけではありません。他の食品会社と比べた率直な感想です。
従業員の行為についても、あの程度は「無問題」だとか。
これまでも、中国産食品の実態は何度も報じされてきましたので、極力、中国産は食べたくありません。
スーパーでは、必ず裏側の産地表示を見てから買いますし、同じようにしてるお客さんをよく見かけます。
しかし、産地が表示されていない、または誤認するような表示も多いようです。
中国からは年間1超円以上の食品を輸入
2013年の農水省の統計では、
農産物の輸入総額6.1超円の内、
1位はアメリカで1.4超円、2位が中国で7,400億円
水産物の輸入総額1.6超円の内、
1位が中国で2,800億超円、2位チリ1,250億円、3位タイ1,250億円、4位アメリカ1,200億円
となっており、中国からは年間1超円以上の農水産物を輸入しています。
加工食品は産地表示義務が無い
食品単品であれば産地が表示されますが、問題なのは加工食品。
原材料の産地表示義務がある加工食品は、後述のようにごく一部で、加工食品全体の1%程度です。
そして中国からの輸入食品の多くは、今回のチキンナゲットのような鶏肉調整品や、そのまま調理に使える冷凍野菜、大豆油かす、乾燥野菜などの加工食品です。
昔から、食堂のハンバーグはくず肉の寄せ集めと言われているように、原型がわからないほど混ぜ合わせるものには、何が入っているか消費者には分かりません。
「コスト」「利益」「リスク」「食品を提供する事業者としての良心」を掛けた結果が商品なので、安いコストを追求したり、大きく儲けようとすると、中国食品やバレない程度に粗悪な材料に行き着くのでしょう。
これだけの目に遭っているのに、ファミマは中国の他の工場を探すと発表してますし、マックも当初は中国産チキンの使用を続けるとしていました(批判が多かったのか、その後中国をやめタイだけにすると発表)。
加工食品品質表示基準 別表2
最終改正 平成23年3月31日 消費者庁告示第3号(抜粋)
産地表示が義務づけられている加工食品です。
分かりにくいので、読み飛ばしても構いません。
1.乾燥きのこ類、乾燥野菜、乾燥果実(フレーク状、粉末状を除く)
2.塩蔵きのこ類、塩蔵野菜、塩蔵果実
3.ゆで、又は蒸したきのこ類、野菜、豆類、餡(缶詰、瓶詰、レトルトを除く)
4.異種混合したカット野菜、カット果実、それらの異種混合
5.緑茶及び緑茶飲料
6.餅
7.落花生、煎り豆類
8.黒糖、黒糖加工品
9.こんにゃく
10.調味した食肉(加熱調理したもの、調理冷凍食品に該当するものを除く)
11.茹で、又は蒸した食肉、食用鳥卵(缶詰、瓶詰、レトルトを除く)
12.表面をあぶった食肉
13.フライの衣をつけた食肉(加熱調理したもの、調理冷凍食品に該当するものを除く)
14.合挽肉その他異種混合した食肉(肉塊又は挽肉を容器に詰め、成形したものを含む。)
15.素干魚介類、塩干魚介類、煮干魚介類、こんぶ、干のり、焼きのりその他干した海藻類(細切したもの、粉末状を除く)
16.塩蔵魚介類、塩蔵海藻類
17.調味した魚介類、海藻類(加熱調理したもの、調理冷凍食品、に缶詰、瓶詰、レトルトを除く)
18.こんぶ巻
19.茹で又は蒸した魚介類、海藻類缶詰、瓶詰、レトルトを除く)
20.表面をあぶった魚介類
21.フライの衣をつけた魚介類(加熱調理したもの、調理冷凍食品に該当するものを除く)
22.4又は14に掲げるもののほか、生鮮食品を異種混合したもの
及び、下記の4品目
A.うなぎ加工品
B.かつお削りぶし
C.農産物漬物
D.野菜冷凍食品
まぎらわしい産地表示
上記に該当しても、全てが表示されるわけではありません。
「4.カット野菜」で産地表示が義務づけられているのは、重量割合が50%以上のものだけです。
全ての野菜が50%未満であれば、中国産の野菜であっても産地表示しなくていいのです。
また、「刺身盛り合わせ」は、重量割合に関わらず、産地表示義務はありません。
「12.表面をあぶった食肉」の「肉のたたき」は産地が表示されますが、加工度合いの高い「ローストビーフ」には表示義務はありません。
「14.合挽肉」で、例えば、国産牛肉51%と中国産豚肉49%の合挽肉の場合、なんと「国産牛・豚肉合い挽き肉」と表示されます。
誰がどう読んでも、国産牛と豚の合い挽き肉ですよね。
また、中国産のシェアが高いリンゴジュースも、中国で濃縮ジュースにし、日本で水を加えた「100%濃縮還元ジュース」は、産地表示義務はありません。
店によっては、表示義務の無い50%未満の材料も、ちゃんと表示していますが。
写真:食品工場の不衛生さ以前に、環境そのものが激しく汚染されている中国
日本への船積みの際、農産物に虫がわくのを防ぐために大量に撒かれる殺虫剤(ポストハーベスト)
中国生まれの「国産鰻」?
以前は50%以上でも表示義務は無かったので、これでも良くなった方です。
また以前は、中国産の梅を和歌山で加工した「紀州梅」や、中国で養殖した鰻を日本の養殖場に移した後に出荷し「国産鰻」、アメリカ産の牛を日本の牧場に移した後に出荷した「国産牛」など、やりたい放題でした。
改正後は、
梅のケースだと、産地:中国、加工:和歌山。
鰻や牛のケースだと、最も長く飼育した国を産地表示することになりました。
しかし、前記事:中国期限切れ肉 しかし肉加工品の42%は中国産の現実(2)でも書きましたが、
極端な例ですが、シラスから中国で100日間飼育した後、101日間日本で飼育したら、堂々たる国産うなぎです。
中国産と表示してある安い鰻を買った人は、中国産であることを承知しているのだから問題は無いでしょう。
しかし、高いけど日本産だからと買ったのに実は育ちは中国だというのは、消費者をコケにしているとしか思えません。
外食産業は中国食品だらけ
外食産業は、低コストと量の確保を考えると、中国産食品抜きでは成立しにくい業界です。
外食やコンビニ弁当を食べると、ほぼ間違いなく中国製食品を摂っていることになります。
しかし、そのことは一切表示されていません。
なお、上記の「まとめ」にも載っているリンガーハットでは、2009年に野菜、2010年に小麦粉を国産に切り替え、価格が上がったにもかかわらず、業績が伸びています。
「外食でも国産食材を食べたいニーズ」が採算ベースに乗ることを証明した好例だと思います。
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