視覚障害者や盲導犬に嫌がらせをする 心卑しい人たち
公開日:
社会・政治
JR川越駅で、盲学校に通学途中の全盲の女子生徒が、足を蹴られて怪我をする事件がありました。
7月にも同じ埼玉県内で盲導犬オスカーが刺傷される事件がありましたが、視覚障害者や盲導犬への嫌がらせは日常茶飯事だそうです。
信じられないことですが、悲しいことに日本で起きている現実です。
(写真は、足に怪我をしているので教諭に付き添われて通学する被害女生徒)
全盲の女子生徒の足を後ろから蹴る
9月8日の朝7時50分頃、埼玉県立の盲学校に通う1年生の女子生徒が、JR川越駅構内で、何者かに足を蹴られ全治3週間の怪我を負いました。
女子生徒によると、改札口を出た直後、点字ブロックの上を白杖(はくじょう)をついて歩いていたところ、前から来た人が白杖につまづいて転んだらしく、その人物は起き上がって、女子生徒の膝の裏を蹴りました。
終止無言だったため、性別や特徴は不明。
近くの年配の男性が、「あんた何やってんだ!」と声を上げるのが聞こえたそうですが、犯人はそのまま逃げたそうです。
警察は、駅に看板を設置し、情報提供を求めています。
自立のために盲学校に通う
歩きスマホでもしていて前を良く見ていなかったのでしょう。
点字ブロックを白杖を持った人が歩いていたら、気をつけるのが当然ですから、ぶつかった方に100%責任があります。
通常の感覚だったら、視覚障害者に謝って、杖が折れていないか気遣うでしょう。
ニュースを聞いただけで涙ぐんでしまいますが、当人達の悔しさと恐怖はいかばかりか?
女子生徒は、母親を少しでも助けようと手に職を付けて自立するために、今春から県立盲学校に通い、鍼灸・マッサージなどを学んでいるそうです。
女子生徒の母親は、電話インタビューで、
「私がバイトできたら、どんだけお母さん楽なんだろうね。
国家試験に合格できれば、今度はお母さんを助けてあげることができる」
という思いで、女子生徒は盲学校に通い始めたと語りました。
そのために、1人で歩くための訓練を重ね、毎日何時間も同じ道を歩いて、通学路を覚えたそうです。
障害者への嫌がらせは日常的に起きていて、盲学校の生徒も、暴言を吐かれたぐらいでは、先生に報告しないそうです。
今回の女子生徒は、
「後輩たちが同じような経験をしないよう、被害を訴えることにしました。」
「(視覚)障害があるから蹴ってもバレないやとか、そういうふうに見るのではなく、障害とか関係なく、1人の人間として、社会の一員として見て欲しいです」
と語りました。
視覚障害者に嫌がらせする心卑しい人々
視覚障害者を「1人で歩くな」と罵ったり、歩行者や自転車がぶつかって、白杖が折れたり飛ばされたりして、立ち往生するケースも多いようです。
白杖によっては、ぶつかると曲がってしまい、元に戻らないものもあるそうです。
今年の4月には、兵庫県須磨のスーパーで、全盲の女性(41)が娘と一緒に歩いていたところ、椅子に座っていた男性(44)が白杖が足に当たったと腹を立て、女性の顔を殴り、重症を負わせ逮捕されました。
また、神奈川県大和市の中央林間駅(小田急・東京急行)では、18才の視覚障害者の男性が、「杖が当たった」と4〜5人の若い男性らに囲まれました。
本人は当たったという認識が無いので、言い掛かりかもしれません。
男性らは、財布,PHS,障害者手帳,点字板を奪い、「これはいいよ」と白杖だけを返したそうです。
犯人はまだ捕まっていません。
日本盲人会連合副会長の鈴木氏は、道の角で、出会い頭に男性とぶつかって杖が曲がりました。
相手の男性は謝るどころか「何なんだ!」と激高し、「お前の家を知っているんだ!あそこだろ!」と住所を言ったそうです。
鈴木氏は相手が誰だか分かりませんでしたが、自宅を知られているので、後で何かをされるかもしれないという恐怖を感じました。
しかし、視覚障害者が警察に被害を届け出ても相手の特徴が言えないので、泣き寝入りすることが多いそうです。
盲導犬にも嫌がらせの数々
7月に刺傷された盲導犬オスカーの飼い主Aさんによると、
チューインガムをつけられる、つばを吐きかけられる、歩行者に蹴られる、しっぽを踏まれる、といったことが何度もあるそうです。
また、かつて白杖で歩いていた時には、若者のグループに腕を捕まれ、ツバを吐きかけられたこともあったそうです。
盲導犬協会などによると、
たばこの火を押しつけられる、わざと通行を邪魔する、顔を殴る、他のペットに咬まれるといったケースが多発し、マジックで顔に落書きをしたり、バス停で待っている飼い主と盲導犬が水をかけられたケースもありました。
また、コンビニや飲食店で「犬は入れません」と、入店拒否されることも、いまだによくあるそうです。
困っている視覚障害者を見かけたら
このようなことをする心卑しい人たちは論外ですが、私たちも気を付けなければいけないことがあります。
点字ブロックを自転車や荷物や商品で塞いだり、クルマを歩道に乗り上げたり、駐車スペースからはみ出して塞がないように気をつけましょう。
想像してみてください。
自分が何も見えず点字ブロックに沿って歩いていたとして、それが塞がれて進路から外れてしまうと、方角が分からなくってしまうと思いませんか?
もし、視覚障害者が立ち往生している様子だったら、援助を申し出ましょう。
このサイトに詳しく↓
視覚障害者の誘導方法
盲導犬を見かけたら
仕事中の盲導犬には決して触ったり、お菓子をあげたりしてはいけません。
私も、何度か見かけたことがありますが、「偉いね〜」頭を撫ぜたいのをグッとこらえました。
電車や建物の中で、視覚障害者の足下や椅子の下で伏せている盲導犬は休んでいるわけではありません。
「待機」しているのであり、周囲に神経を配っています。
それを邪魔して気を散らさないようにしましょう。
スポンサードリンク
スポンサードリンク
関連記事
-
台風8号 本土でも特別警報か? それとも東へそれるか?
台風8号は、宮古島と沖縄本島の間を抜けましたので、両島とも、幸い直撃は免れました。 現
-
3才の女児が衰弱死 子供の虐待を見かけた時にするべきこと
大阪府で、3才の女児が食事を与えられず餓死した事件。 近所には、女児がアパートのベラン
-
19日衆院解散?政治をほったらかしにして選挙をする理由
衆院解散のウワサが出始めた頃は、あるはずがないと思っていましたが、ここ数日で急速に現実味を帯
-
土佐犬と土佐闘犬は別モノ 逮捕された土佐犬襲撃事件の飼い主の悪質さ
北海道で主婦が土佐闘犬に襲われ死亡した事件。 土佐闘犬の飼い主は主婦を助けずに証拠隠滅を図
-
県議会事務局は なぜ議員の言うままに政務活動費を支払う?
号泣野々村元議員が、やりたい放題に使った政務活動費。 あんなズサンな収支報告書を、なぜ
Comment
犯人は重度の知的障害者でしたね
こうなると悪いのは誰なんでしょうね
この記事みたいなドヤ顔正論様が、犯人が知的障害者だと分かった瞬間に消え失せたのは笑ったなあ
まだ記事消してなかったんだ 恥ずかしい
お互い気をつけるべき、ぶつかって痛くて感情的になったらトラブルが起きるかも知れない、
片方が謝らなかったら尚更そう、という健常者だろうと障害者だろうと関係ない当たり前の話だよね?
是非がどうこうというより、人間が人間である以上はそういうこともあるし、
事故だって完全には避け得ない
「歩きスマホをせず周囲をよく見て歩きましょう」ってことで、目が見えない人は白杖で周りを探ったり存在をアピールしたりしてそれに代えている
そういう仕組みや工夫はあるが事故や事件は起きる
そこをまず第一声が「悲しくて涙が出ます」なんて言ってるから何も代わらないんだよ 逆差別だ