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マックイーンの『栄光のルマン』とF1ドライバー出演のCM

公開日: レビュー

この記事の所要時間: 429

栄光のルマン ポスター

スティーブ・マックイーンの『栄光のルマン』のレビューです。

ルイス・ハミルトンが、スティーブ・マックイーンと「共演」したタグ・ホイヤーのCMや、F1ドライバー出演のCMも紹介します。

 

栄光のルマンのレースシーンとストーリー

先月BSで、スティーブ・マックイーンの『栄光のル・マン』(1971年公開)が放送されていたので、録画して久々に観ました。

何度観ても、レースシーンには圧倒されます。
もちろんCGではなく、ミニチュアや光学合成でもない、実写の迫力です。

実際にレースにエントリーしカメラカーとして走らせたことが、スタートシーンでも分かります。

ジャッキー・イクスやジャン・ピエール・ジャブイユ等のトップクラスのメンバーがスタントドライバーとして参加し、マックイーン本人もスタントを使わずドライブ。
実際のレースと、映画で撮影したシーンとの見分けがつかないリアリティのある出来映えです。

ラストのバトルシーンも見事なカメラワークで、見入ってしまいます。

ただ、#20や#22ポルシェが、レース終盤なのに、スタート直後のようにピカピカにキレイだったり、カットが変わると汚れていたり、というダウトもありますけどね。

 
しかし、何度観ても、ストーリーが印象に残りません。
ストーリーが無いと言っていいかも。

「前年のレースのマックイーンがからんだクラッシュで死んだドライバーの奥さんが、今年は別のライバルドライバーの恋人として現れる」のが、唯一と言っていいレース以外のエピソードですが、それも、特に盛り上がりはなく、淡々と描かれます。

撮影開始当初「もっと盛り上がるストーリーが必要」という監督と衝突し、途中降板したとのこと。
そのせいか、レースファン以外にはウケず、興行成績は惨敗で、大赤字でした。

製作開始当初、監督は『荒野の七人』『大脱走』の監督ジョン・スタージェスであったが、観客の心に強く訴えるストーリーが必要というスタージェスと、極力人間ドラマを排除してカーレースそのものの魅力を描きたいマックイーンの間に確執がおこり、途中降板することになった。
事実、アメリカでの興行についてはスタージェスの懸念通りになってしまった。
スタージェスはこの映画について「途方もないジョーク、800万ドルをかけたマックイーンのホームムービー」と評している
ーwikipediaより

 

タイアップCMの代表的な成功例に

ですが、日本ではヒットしました。

公開時、ヤクルトと松下電器のタイアップCMで映画のシーンが使われました。
観に行きたかったせいもあると思いますが、大量に露出したらしく、頻繁に目にした記憶があります。
マックイーンの人気が高かったとはいえ、レース映画のマーケットが特に大きかった訳ではないので、日本でのヒットはタイアップCMの影響が大きいと思います。

しかし、そのCMのことを知ったマックイーンは、自分が知らない商品に映像が使われたことに憤慨し、肖像権侵害で訴訟を起こしました。
請求額が当時としては高額の100万ドル(当時は1ドル360円の固定レートなので3.6億円)だったこともあり、話題になりました。
裁判は、マックイーンの死後、敗訴の判決で終わりました。

 
同時期、タイアップCMの影響でヒットした映画で思い出すのが『小さな恋のメロディ』です。
確か、旭化成のCMで、ゴールデンタイムによく、目にしました。
この作品も欧米では全くウケませんでしたが、日本では大ヒットとなりました。
私もこのCMでこの映画を知り、観に行ったところ、映画館の回りに行列ができており、超満員の立ち見でした。
今でも根強い人気らしいので、CMのおかげだけではなく、日本人の琴線に触れる内容だったのでしょうけど。

 
先日、アカデミー賞の作品賞を『ゼロ・グラビティ』と争う『それでも夜は明ける(公式サイト)』の予告編で『監督 スティーブ・マックイーン』のクレジットを目にし「まさかジュニア?」と思ったら、違いましたw

1969年イギリス生まれの黒人の映画監督でした。
前作は『シェイム』という作品らしいですが、観ていません。

しかし1969年と言えば、既にスティーブ・マックイーンは世界中に知れ渡った名前です。
それなのに息子にスティーブと名付けると言うのは、当時の日本で例えると、三船さんちが敏郎と名付けるとか、加山さんちが雄三と名付けるとか、もう少し最近の例えをすると、木村さんちが拓哉と名付けるようなものなので、このスティーブ・マックイーンさんは、ずいぶんとからかわれ、めんどくさかったんじゃないかと、よけいな心配をしてしまいますw

 

ウェザリング・プラモデルと、
ハミルトンが共演したCMの話

話を『栄光のルマン』に戻して、下の写真はこの映画でマックイーンが乗ったクルマのプラモデル『ポルシェ917K ’71ル・マン スティーブ・マックイーン(#20)』を、アメリカのモデラーがウェザリングしたもので、数年前にebayで買いました。
オイルの汚れや、飛び石によるキズなど、細かく表現できていると思います。
私には、とうていできません。というか、プラモデルを普通に作り上げることもできませんw

ポルシェ917K ル・マン スティーブ・マックイーン(#20)-1   ポルシェ917K ル・マン スティーブ・マックイーン(#20)   ポルシェ917K ル・マン スティーブ・マックイーン(#20)

ポルシェ917K ル・マン スティーブ・マックイーン(#20)   ポルシェ917K ル・マン スティーブ・マックイーン(#20)   ポルシェ917K ル・マン スティーブ・マックイーン(#20)

 
数年前、マックイーン愛用の(冒頭のポスターで着用している)タグホイヤーの『モナコ』という商品の新作CMで、この映画のシーンが使われていました。
ライバルドライバーとの、スタート前とフィニッシュ前後の印象的なシーンを、ルイス・ハミルトンと彼がドライブするマクラーレンF1に差し替えてあります。

ライティングが少し合っていない感じはしますが、いいCMだと思います。
最後の二人のやりとりもいいですね。

 

F1ドライバーが出演したCM

ハミルトンは、相手がいない、プロでも難しいであろう演技をうまくこなしていますよね。

日本のプロスポーツ選手が出演するCMは「ナボナはお菓子のホームラン王です」(ご存知ですか?)に代表されるように棒読みが定番ですが、ハミルトンは他にも何本か出ているCMでもいい感じですし、メルセデスのシューマッハやハッキネン、ロズベルグもいい演技をしています。
演出も面白いですし。

その中でも、私が一番気に入ってるのが、メルセデスの四駆のCM↓

トロトロ走る前方のクルマにイラつくハッキネンが、追い抜き際にシューマッハを見て「サンデードライバー」呼ばわりするところは何度観ても笑います。

ご存知無い方のために書き添えますと、ミカ・ハッキネンは元F1チャンピオンで、フィンランド出身ですから、雪道走行は得意です。
ミハエル・シューマッハは、F1で最多の優勝91回、チャンピオン獲得7度の記録を残しました。

 
         
 

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