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県議会事務局は なぜ議員の言うままに政務活動費を支払う?

公開日: 社会・政治

この記事の所要時間: 317

号泣野々村県議

号泣野々村議員が、やりたい放題に使った政務活動費。

あんなズサンな収支報告書を、なぜ県議会事務局はチェックしなかったのか?

そこには「先生」を相手にするややこしさがありました。

収支報告書に嘘があるかもしれないというチェックではない

爆笑野々村県議の政務活動費請求の収支報告書は、3年間で800枚にもおよびますが、その内容はズサンなもので、使途内容が不明なものがほとんどだそうです。

民間企業であれば絶対に通用しない内容ですが、県議会事務局はどのようなチェックをして、議員にお金(県の資金=税金)を支払っているのでしょうか?

端的に言うと「収支報告書に嘘があるかもしれないというチェックではない」ということです。

それを「性善説」と言えば聞こえはいいですが、実際は「事なかれ主義」です。

ほとんどの場合、収支報告書の記入方法等の様式と、足し算等の間違いがないかという点をチェックするだけです。

 

先生のお立場や活動内容を斟酌しながら

収支報告書で不審は点があった場合も、呼びつけて訂正させるようなことはできません、と言うよりしません。

相手は偉い「先生」ですから。

先生のところにお邪魔し、使途内容をお聞きします。

「先生のお立場や活動内容を斟酌しながら、妥当性を見つつチェックする」らしいです。

野々村議員の場合も、何度か不備を指摘したものの聞き入れず、その内にキレて大声を上げ始めたそうです。

怒り出せば「通る」ということですね。

 

政治家の報復が怖い

県議会事務局の担当者は、いずれ県の他の部署に異動します。

政治家(の中に)は、自分に逆らった人を絶対に忘れず、異動先でその人が担当する案件を議会で問題視する(イチャモンをつける)場合があるそうです。

そのように後々の政治家との関係を考え、厳しくチェックしないのが実情だとか。

自分の財布が痛む訳ではないですし、役所は潰れませんからね。

 

前払いで貰った政務活動費は返したくない

兵庫県の政務活動費は月に50万円で、3ヶ月分150万円が前払いされます。
年間600万円。

会社の出張仮払いのようなものですから、精算して残ったお金は返さなければいけません。

しかし野々村議員も、県議会の聴取の際に
「政務活動費の金額の多さから使い切らないと考え、本来返還すべきところを消費した」言ってますが、一度手にしたお金は返したくない人が多いでしょう。

収支報告書にあること無いこと書いて使い切ったことにしたのは、野々村議員1人だと考えるのは無理ですね。

 

政務活動費が年間500万円以上の都道府県議会

政務活動費が年間500万円以上の県議会は、10都道府県です。

東京       720万円
大阪       708万円
京都       648万円
神奈川   636万円
埼玉       600万円
愛知       600万円
兵庫       600万円
福岡       600万円
北海道   576万円
静岡       540万円

ちなみに、国会議員にも政務活動費にあたる「文書交通費」があり、月額100万円。

領収書は不要で、そもそも使い切らなかった場合の返還も不要ですから、議員報酬とは別に、年間1200万円を貰えるというものです。

 

政務活動費に関する各県の姿勢

政務活動費は全国で問題視されており、市民オンブズマンなどの住民監査請求で返還勧告がされたもの多くあります。

その額は、2003年〜2013年の10年間、全国の都道府県と市区町村議会で、合計件・約9億5000万円。

また、政務活動費の規定や情報公開の度合いは、都道府県毎に異なります。

第三者機関がチェックしているのは、北海道・東京・大阪の3ヶ所。

ホームページに具体的な使途を公開しているのは、岩手・福島・長野・三重・鳥取・広島・山口・徳島・大分の9ヶ所のみ。

なお鳥取県では、領収書が無いものは原則として認められません。

 
騒ぎの兵庫県では、9月の議会に下記の条例改正案を提出の予定です。

・議長の修正意見に従わない場合は是正勧告や氏名を公表

・全支出に領収書の添付を義務づける

・ホームページに収支報告書を公開

野々村議員がきっかけで、このような動きが全国の議会に広がれば、あの号泣も悪くはなかったかなと思います。

爆笑させてもらいましたしw
 

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