朴槿惠大統領が「抗日戦勝70周年記念行事」に出席する理由
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海外
韓国の朴槿惠(パク・クネ)大統領が、アメリカのいうことをきかず、中国の「抗日戦争勝利70周年記念行事」に出席する理由とは?
朴槿惠大統領 抗日戦勝70周年記念行事に出席
前記事:中国「抗日戦争勝利70周年記念行事 」の参加出席国一覧
9月3日、中国・北京で行われる「抗日戦争勝利70周年記念行事」。
今回出席する各国首脳で際立っているのは、西側で唯一出席する韓国の朴槿惠(パク・クネ)大統領です。
アメリカからは出席しないようクギを刺しましたが、習近平様のご機嫌も損ねたくないので、午後の記念式典だけ出席するものと見られていました。
しかし、午前の軍事パレードにも出席することを韓国青瓦台(大統領府)が発表しました。
「中国との友好協力関係を考慮し、中国が朝鮮半島の平和と安定に寄与することを望んで決めた」だそうです。
朴槿惠大統領が軍事パレードに出席するメリット
韓国経済の中国依存度は、アメリカの2倍、日本の3倍と非常に高く、その点でも習近平様のご機嫌を損ねたくありません。
日本に対する歴史認識で中国と足並みをそろえ、国際社会に『日本の蛮行』をアピールできます。
安倍首相の欠席で、中国に韓国の存在感を示すこともできます。
冷え込んだ中国と北朝鮮の関係を利用し、北朝鮮との交渉に中国の協力が得るという目的もあるでしょう。
「韓国も日本と戦って勝った」というファンタジー
韓国は日本と戦っておらず、日本が連合国に降伏したために「棚ぼた式」に独立しました。
しかし韓国は、憲法前文に、日本と戦うために作られた政府に根ざした国家感を謳っています。
中国の「抗日戦勝70周年記念行事」に出席することは、「韓国も日本と戦って勝った」という韓国が信じているファンタジーにかなっています。
それは、朝鮮統治の日本軍司令官を暗殺するというフィクション映画『暗殺』が、韓国で今年最大のヒットとなっていることでも分かります。
関連記事:池上彰 韓国特番の「反日翻訳」捏造疑惑シーンを見てみる
朝鮮半島の南北統一を妨げた中国軍
韓国は、言うまでもなくアメリカの同盟国であり、北朝鮮と「休戦中」で、アメリカの軍事力に強く依存している国です。
なにしろ、戦争が再開した時の「戦時作戦統制権」をアメリカ軍が持っているのですから。
先日の『地雷 vs. 拡声器』の交渉の際にも、アメリカの軍事力をちらつかせながら、北朝鮮を脅したそうです。
そもそも、1950年からの朝鮮戦争で、韓国軍と国連軍で北朝鮮を中国との国境まで追い詰めながら、中国軍(中国の言い分は正規軍ではない義勇軍)が大量の人海戦術で参戦したため、朝鮮半島の南北統一がご破算になりました。
その中国軍により、韓国国民は甚大な戦死者も出しています。
米軍に依存しながら仮想敵国の軍事パレードに出席
戦争したわけではない日本に対して、どちらかと言えば日本と同じ敗戦国でありながら、韓国はまるで戦勝国のように、謝罪と賠償を要求し続けています。
しかし、韓国が中国に対し、朝鮮戦争やそれ以前の属国だった時代の謝罪や賠償を求めたという話は聞いたことがありません。
日韓併合時代にインフラや社会制度向上に巨費を投じた日本と比べ、中国が韓国にもたらした人的・物的損害は、桁が10個くらい大きいものです。
しかも、今も続く南北分断の主原因と言ってもいい国の軍隊であり、仮想敵国の軍事パレードを閲兵するというのは、どのような頭の構造なのか。
全く理解できません。
中国には謝罪を要求しないのに日本へは要求し続ける韓国
中国に謝罪や賠償を要求しないのは、そんなことを言っても「怒られるだけ」というのが分かっているからです。
その点日本は、戦後、土下座外交を続けたので、文句を言えば謝罪や賠償を引き出せました。
それに味をしめたというだけではなく、そもそも韓国では謝罪すると、謝罪された方が「強者」、謝罪した方が「弱者」という上下関係が続きます。
謝罪しそれを受け入れることでチャラになる日本や世界の多くの国とは、考え方が全く異なります。
中国様の一の子分である自分たちより下であったはずの日本に統治された、という屈辱が忘れられないという点もあると思います。
DNAに組み込まれた属国根性
レトリバーは、物を持ってくる(Retrieve)という行動がDNAに組み込まれているようで、子犬の時に教えなくても、最初からできます。
それと同じに、長年の隷属で「中国様には逆らえない。ひれ伏す。中国様の一の子分として虎の威を借りる」というのが、韓国の指導者のDNAに組み込まれているのでしょう。
「大国の中国と地続き」という地政学で染み付いた生き方でもあると思います。
本人たちはバランス外交だと思っているのでしょうが、ハタから見たらコウモリ外交、二股外交で「信用できないヤツ」のレッテルが貼られます。
中国も、いざとなったら、あっさりと韓国を切り捨てることは明らかです。
今回の軍事パレードでは、おそらく習近平国家主席の左右にプーチン大統領とパク・クネ大統領が並ぶでしょう。
その絵面を見たアメリカの不快感が想像できます。
また、おそらく北朝鮮の出席者は隅の席に座らされるでしょうから、金正恩最高指導者の機嫌も悪くなるでしょうw
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