妻を乳がんで亡くして【苦しむ患者をワガママと言った看護師】
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生活・文化
余命わずかで、痛みに苦しむ妻を「ワガママ」と言った看護師が。
妻はガンの痛み以外に、パラマウントベッドの寝心地の悪さや、医療用弾性ストッキングにも苦しんでいたようです。
この記事は、以下の記事の続きです
①妻を乳がんで亡くして【乳がんの発症〜乳房・リンパ節切除編】
②【手術後の抗ガン剤治療・放射線治療編】
③【乳がんの転移再発・余命宣告編】
④【肝臓や脳への転移・症状編】
⑤【緩和ケア・ホスピスとは】
⑥【容態が悪化し緊急入院】
⑦【ホスピス入院申し込み】
⑧【突然、余命1週間に】
痛みに苦しむ妻を「ワガママ」と言った看護師
後日、私の父母から聞いた話です。
私の父母を見舞いに連れて行った際、急に個室へ移れることになったので、移動が終わるまで、父母には談話コーナーで待たせていました。
その際、近くを通った看護師が「◯◯さんのご家族ですか? ◯◯さんはワガママですよねぇ。ご自宅でもそうなんでしょ?」と話しかけたそうです。
父母はなんと言っていいか分からず「はあ」とだけ答えました。
あまりにも心が無い看護師
信じがたい話ですが、思い当たる節はあります。
息子が個室に初めて泊まった夜、妻は頻繁に痛みを訴え、そのたびに、処方されていたオプソ内服液という、ガンの疼痛用の痛み止めを飲ませました。
麻酔科の部長から、30分置きに飲ませてもかまわないという説明を受けていた薬です。
息子がウトウトしていた時には、妻は、自分でナースコールを押していたそうです。
おそらく、4人部屋にいる時も、夜間、頻繁にナースコールをしていたのでしょう。
妻は昼夜が逆転していたのか、昼間は比較的よく眠っていたのですが、夜は起きている時間が長かったようです。
ナースステーションは少ない人数で回しているので、頻繁に呼ばれて負担が大きかったと思います。
しかし、妻の余命がわずかだということは、フロアの看護師全員にも伝えられていたはずです。
だからこそ、特別な計らいで個室に移ってる最中なのですから。
余命わずかで、痛みに苦しんでいる患者が、ナースコールを頻繁にしたからといって「ワガママ」と言うとは。
あまりにも心がありません。
私は、その看護師が、患者のことではなく自分の都合しか考えていないように思えます。
年寄りの話ですし、看護師の名前も分かりませんから、病院には何もクレームしていませんが。
「身の置き所が無い痛み」に苦しむ
病室の窓からの景色です。秋の気配がしました
妻は、苦しそうに寝返りを打とうとしますが、カラダが思うように動かず、ベッドの柵を掴もうとするのか、手をバタつかせました。
「身の置き所が無い痛み」なのでしょう。
私は、つい最近、胆のう摘出の腹腔鏡手術を受けました。
昨年の春から、何回か胆石が詰まって、激しい痛みに苦しみましたが、それを解決するには胆のうを全摘するしか無いからです。
胆石痛は、結石、すい炎と並び、3大激痛と言われています。
胸と背中が激しく痛み、最初は心筋梗塞と間違え、日曜でしたので救急病院に行きました。
どうにかして痛みが治まらないかと、カラダの向きを変えたり座ったりしますが、どんな体勢を取っても変わりません。
それが5〜6時間続きます。
まさに「身の置き所が無い痛み」です。
妻が苦しんでいる姿を見て、胆石痛の苦しさとダブらせました。
妻の死後も何度か胆石痛にもだえ苦しみましたが、その時にも、苦しんでいた妻の姿が目に浮かびました。
パラマウントベッドの寝心地の悪さに苦しむ
腹腔鏡手術をした夜、私は、キズの痛みより、背中の痛みに苦しみました。
息子は「病院のパラマウントベッドはマットが薄いので、背中や腰が痛くなる。母が苦しんだのは、そのせいもあるはず」と言っていましたが、その通りでした。
寝返りを打とうとしますが、手術後で腹筋に力が入らないので、ベッドの柵を掴もうと手をバタつかせます。
「あぁ、妻はこんな状況だったんだ」と、文字通り骨身に沁みました。
ようやく横向きになったら、今度は傷口が引っ張られて痛くなります。
また「身の置き所が無い痛み」でした。
ただ、私の場合は、せいぜい一晩か翌日までの痛みですし、その後痛み止めを打ってもらって朝まで眠ることができました。
しかし妻の場合は、その痛みが繰り返し繰り返し襲ってきて、それは死ぬまで続きます。
その絶望感を思うと、胸が締め付けられます。
やはり、ガン末期は痛みの緩和を最優先にするべきだと、あらためて痛感しました。
医療用弾性ストッキングに苦しむ
妻は、入院してる間、太ももまでの医療用弾性ストッキングを履かせられていました。
寝たきりで脚を動かさなくなるので、下肢静脈の血流をよくして、むくみや血栓症(エコノミークラス症候群)を防ぐためです。
私も、腹腔鏡手術の際に、ふくらはぎまでのタイプを履かせられました。
私が履いていたのは1日半程度ですが、これも苦痛で、手術の翌日は自分でずり下げていました。
それでも、もともとゴムの締め付けに弱いこともあり、ふくらはぎがカブれてしまいました。
妻も時々、自分でストッキングを下げようとしていましたので、苦痛だったのだと思います。
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