新国立2520億円をシャンシャンで承認した出席者は誰?
公開日:
社会・政治
7日、『国立競技場将来構想有識者会議』が開かれ、2520億円に膨らんだ建設費(しかも開閉屋根は含まない!)を、何の疑義も無く満場一致で承認しました。
そのシャンシャン総会の「有識者」って誰?
国立競技場将来構想有識者会議のメンバー14人
2012年に日本スポーツ振興センター(JSC)が設置した国立競技場将来構想有識者会議の現在のメンバーは下記の14人。(敬称略)
なお、メンバーの中で唯一の建築家であり、会の当初から参加してザハ・ハディド案を推進した 安藤 忠雄は、驚くことに欠席しました。一身上の都合だそうですw
●森 喜朗
大会組織委員会会長。元総理。前日本ラグビーフットボール協会会長。失言・迷言集
●舛添 要一
東京都知事。
●竹田 恆和(つねかず)
日本オリンピック委員会(JOC)会長。作家・タレントの竹田恒泰の父。
●馳 浩
スポーツ議員連盟事務局長。自民党衆議院議員。元プロレスラー
●小倉 純二
日本サッカー協会名誉会長
●佐藤 禎一
東京国立博物館館長。元文部事務次官。元ユネスコ日本政府代表部特命全権大使。
●鈴木 秀典
日本アンチ・ドーピング機構。
●張 富士夫
日本体育協会。元トヨタ社長、現名誉会長。
●鳥原 光憲
日本障害者スポーツ協会会長。元サッカー選手。元東京ガス社長。
●横川 浩
日本陸上競技連盟会長
●笠 浩史
大会推進議員連盟(麻生太郎会長)幹事長代理。民主党衆議院議員。
●都倉 俊一
日本音楽著作権協会(JASRAC)会長。作曲家
●安西 祐一郎
欠席。日本学術振興会理事長
●安藤 忠雄
欠席。建築家。
元ヒット曲メーカーの都倉俊一が入っているのに驚きましたが、国立競技場はコンサートにも使うからということでしょうね。
選手育成のためのスポーツくじの収益を建設費に使っていいのか?
会議後に取材記者から費用拡大の理由について聞かれた日本スポーツ振興センター(JSC)の河野一郎理事長は、
「文科省と相談しながらいきたい」
と責任逃れというか、わけのわからない回答をしました。
なお、河野理事長の信条は「良い方向に考える」だそうです。確かにそうだw
それにしても、建設費の原資が足りずスポーツくじ(toto)もあてにしてるようですが、スポーツくじの収益は「選手強化」に充てられるはずのお金です。
陸連や体協の会長サンは、選手強化費が国立競技場の建設費に流用されても構わないのでしょうか?
基礎工事の残土処理だけで720億円?!
モーニングバード(テレビ朝日。8:00~9:55)では、費用は2520億円に留まらないだろうことを解説していました。
1つは、基礎工事で生じる残土。
その量は、実に180万立方メートルにもなり、これを10トンダンプ(街中でよく見かける大型ダンプ)で運び出すと、1日1000台で1年掛かるそうです。
1000台は延べ台数だと思いますので、実際にはピストン輸送しますから数百台となるのでしょうが、10トンダンプ数百台を1年間も押さえないといけないのは大変です。
そしてその残土全量を仮に産業廃棄物で処理すると、その費用は何と720億円になるそうです。
しかし工事費の中には、「屋根鉄骨、スタンド鉄骨、内外装、大量の建設発生土」の4項目合計として、765億円と見積もられています。
(下図中央の「増要因」の箇所、クリックで拡大します)
全然足りません。
今の2520億円ですら、いかに甘い見積もりかがよく分かる一例です。
50年間の大規模改修費は計算に入れず
2つめは、完成後50年間の大規模改修費が収支計画に入っていないこと。
日本スポーツ振興センターが作成した「新国立競技場の収支見込み」によると、イベント等による年間収入が40億8100万円に対し、維持費等の年間支出が約40億4300万円で、3800万円の黒字になっています。
昨年の8月の同資料では3億3000万の黒字になっていましたが、「数字をどんなにこねくり回しても無理」とバレそうなので、約1割に減らしたようです。
このイベント収入見込み自体が、黒字を無理くり出すために作文された妄想ですが、さらに問題なのは、末尾の2行です。
ライフサイクルコストとして、完成後50年間に必要な大規模改修費の試算が1046億円になっています。
昨年8月の資料では656億円となっていましたが、1年足らずで390億円も増えてしまいました。
この1046億円を50年で割ると、年間約21億円にもなりますが、「上記の収支計画には含まれていない」とサラリと書いてあります。
収支計画に含めた場合、年間約20億5000万円の赤字を垂れ流し続けることになります。
ラグビーワールドカップに確実に間に合わせるため
「2019年のラグビーワールドカップに間に合わせるために無理矢理押し通そうとしている」との批判に対し、前日本ラグビー協会会長の森元総理は
「ラグビーのためじゃない。(余裕をもって)オリンピックの前の年に完成させるため」と述べていました。
しかし、7日の会議の工期資料では
ラグビーワールドカップに確実に間に合わせるための工程と、一番デカい字で書いてありましたw
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