小渕大臣辞任へ 目玉の女性閣僚登用で窮地に陥る安倍内閣
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社会・政治
1年8ヶ月、1人の辞任も出さなかった安倍内閣が、先月の内閣改造後には一転、新閣僚のスキャンダルで揺れています。
そもそも、大臣になる順番待ちを消化するのが目的で、国民生活には全く不必要な内閣改造でしたが、組閣から現在まで、時間と歳費を浪費。
順調だった第2次安倍政権は、窮地に陥っています。
内閣改造後に問題が続く安倍内閣
2012年12月以来順風だった第2次安倍政権が大きく躓きました。
松島みどり法相のうちわ問題や、江渡防衛相の寄付問題に続き、小渕優子経産相の政治資金不正使用の疑惑が週刊新潮ですっぱ抜かれました。
今回の内閣改造では女性登用をアピールしましたが、その中でも小渕優子経産相は、安倍首相イチオシの最大の目玉。
経産相として原発再稼働を果たせば、近い将来は初の女性総理との声が上がっていました。
観劇に下仁田ネギにベビー用品
週刊新潮が9日発売の10月23日号で報じた「松島みどり法相の団扇どころではない 小渕優子経産相のデタラメすぎる政治資金」は、即日、参院経産委員会で野党から追求されました。
・小渕優子後援会が、7年前から年に1回行なう「観劇ツアー」で、2010年、参加費収入の約372万円を1300万円上回る1688万円支出を計上。
2011年も同様に約1300万円の支出超過になっていますが、2012年は実施したはずの「観劇ツアー」そのものが収支報告書に記載されていません。
さらに、地元のバス会社には、貸切バスの代金として約245万円が支払われていますので、支出超過額はさらに広がります。
→事実であれば、有権者への利益供与にあたる公職選挙法違反です
→参加費の1人12000円では、群馬からのバスツアーや観劇,昼食代をまかなえず、いずれにしても利益供与です
→参加者は約1000人とのことなので、約1200万円になるはずの参加費収入が372万円というのは、政治資金規正法の虚偽記載です
・姉の夫が経営する南青山のブティック「コンセプション」から、ネクタイ,ハンカチ,書籍等、3年間で約330万円を購入し、交際費として政治資金から支出
・地元の紳士服店で、スーツ2着146,000を制服代として政治資金から支出
・政治資金で、下仁田ネギ,ベビー用品,女性用下着,デザイナーズブランド,化粧品等を、事務所費や組織活動費として政治資金から支出(詳細は下の表に)
→上の3点はいずれも、選挙区の有権者に贈ったとすれば寄付行為で公選法違反になり、有権者ではなく個人的にお世話になった人に贈ったり自分で使ったとすれば政治資金の私物化になるので、いずれにしても言い逃れできません。
小渕優子経産相は調査して回答するとしています。
下仁田ネギ | 611,510 |
---|---|
デザイナーズブランドショップ | 685,000 |
日本橋のデパート・女性下着 | 43,942 |
銀座のデパート・ベビー用品 | 14,159 |
銀座のデパート・子供用玩具 | 62,790 |
銀座のデパート・子供用玩具 | 20,475 |
銀座のデパート・子供玩具 | 41,580 |
銀座のデパート・化粧品 | 15,038 |
新宿のデパート・化粧品 | 11,655 |
銀座のデパート・ストール | 15,750 |
銀座のデパート・女性用ゴルフウェア | 12,600 |
銀座のデパート・婦人靴 | 19,215 |
上野のデパート・ハンドバッグ | 16,800 |
銀座のデパート・紳士服 | 27,300 |
銀座のデパート・商品券 | 50,000 |
港区のホテル・葉巻 | 11,550 |
小渕優子氏に資質はあったのか?
小渕優子氏(衆院・群馬5区) は内閣改造の目玉として入閣し、しかも重要ポストである経済産業大臣に就任。
原発再稼働を実現すれば、初の女性総理とも言われていました。
しかし、今回の問題以前の国会答弁を見ても、横に座っている官僚にいちいち尋ね、しかも長い文章は覚えられないのか、単語だけで答弁しているように思えました。
官僚としては、言いなりに動く扱いやすい大臣でしょうが、どこが「総理になる人材」なんだろう?と疑問でした。
今回の報道が事実だとすれば、閣僚レベルの資金管理としてはお粗末過ぎます。
特に、観劇ツアーは金額が大きく、完全にアウトです。
登用前の「身体検査」は、どこをどう見たのでしょうか?
総理の目が無くなったどころか、大臣辞任は避けられないでしょうし、議員辞職もありえます。
へたすれば、検察のお世話になるかもしれません。
松島みどり法相は予想通りに問題続出
松島みどり法相(衆院・東京都14区)の入閣には、当初から驚きの声が上がっていました。
国土交通省副大臣時代の2008年、参院予算委員会で、ダラダラと訳の分からない答弁を続け、鴻池予算委員長(当時)の制止も無視しため鴻池氏が激怒。
予算委員会を出禁にされるなど、大臣というより議員としての資質が疑問視されていた人物です。
案の定、初登庁で「出迎えの職員の数が少ない」と怒って帰ったことに始まり、
・赤いストール問題
・公選法違反のうちわを「このうちわは、うちわじゃない」問題
・「議員宿舎は必要ない。無駄だ、恥ずかしくないのか?!」と言っておきながら、しかも本来入居できない都内在住の議員でありながら入居していた問題
・上記の問題を記者会見で「野党の雑音」と言い放った問題
など、1ヶ月で次から次に問題を起こし、その度に審議がストップして時間と歳費を浪費しています。
野党も、新内閣の最大のウィークポイントと見て、小突き回しているようですが、
団扇を手に「これは何ですか?」と詰め寄った蓮舫参議院議員も、丸い団扇を配ったことが指摘され、民主党お得意のブーメランとなりました。
松島みどり氏は、これからも失言・方言を繰り返す人物だと思います。
松島みどり法相が早速物議 真っ赤なストールで本会議出席に詳しく。
江渡防衛相の政治資金規正法違反の疑惑
9月には、江渡聡徳防衛大臣(えとあきのり・衆院・青森2区)に、資金管理団体から 江渡氏個人への寄付が発覚しました。
議員の私的利用の恐れがあるため、政治資金規正法が禁じている行為です。
江渡防衛相は、事務的なミスとして謝罪しました。
山谷えり子国家公安委員長は在特会とマブダチ?
山谷えり子国家公安委員長(参院)は、ヘイトスピーチの在特会(在日特権を許さない市民の会)のメンバーが山谷氏の宿泊先のホテルを訪ね、一緒に記念写真を撮っていることが問題になりました。
民主党・野田国義参院議員(参院・福岡選挙区)の「宿泊先まで知ってるっていうのは、懇ろの関係じゃねぇか?」ヤジという敵失でウヤムヤになりましたが、、、
週刊文春の取材に対して「何ですか、ザイトクカイって」「ザイトクカイって何ですか」「私ちょっとよくわかりませんので」と答え、国家公安委員長としての資質に疑問を持たれています。
また、9月25日の外国特派員協会での記者会見でも、在特会との関係について質問が集中し、外国特派員も強い関心を持っていることが伺えます。
またテレビ番組では、性教育について、
「ほんとうに子ども時代はですねえ、ちょうちょが飛んでいる姿、お花がキレイに咲く姿、昆虫が一生懸命歩いている姿、それで命の尊さというのは私達はじゅうぶん学んできたんですよね」
と語り、
ディレクターが「具体的なことは教える必要はない?」との質問には、
「ほんとうは結婚してからだと思いますね、はい」と、
「性教育は結婚してから」と主張しました。
ネットでは「ちょうちょが飛んでるのは山谷えり子議員の頭の中」と話題になりました。
高市早苗総務相と有村治子女性活躍担当相も
高市早苗総務相(衆院・奈良2区)もネオナチ団体と写真を撮っていたり、「福島原発で誰も死んでいない」と発言したことが問題になっています。
有村治子女性活躍担当相(参院)も、民主党の蓮舫議員から
「あなたが過去に書いたエッセーには、どんなに読み込んでも『共働きの両親の子供は数十年後におかしくなる』と書いている」や、
「あなたが副会長を務める団体は『主婦が働くことで夜遅くまで預けられる子供が増え、社会を殺伐とさせる』と主張している」
と指摘されました。
必要の無かった内閣改造
今回の小渕経産相の問題では、内閣支持率の低下は避けられませんし、安倍首相の任命責任を問う声も上がるでしょう。
そもそも、9月の内閣改造は、大臣の順番待ちを消化するのが目的でした。
国民には無関係の永田町の論理での内閣改造です。
そんな不要不急の理由で順調だった内閣を改造して窮地に陥り、国政が止まるなんて、なんておマヌケなんでしょう。
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